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衝撃の属性判定

「君たちが神のご加護を得て、今日まで生き長らえ、ここに集えたことを非常に喜ばしく思います。君たちが………大勢の…支え………………」


「……はっ!」




しまった。意識が飛びかけていた。慌てて椅子の上で姿勢を正す。

……司祭と目があったのは気のせいだと思いたい




ーーー私は今、待ちに待った属性判定を受けに来ていた。

属性判定は教会で行われ、9歳になる子達は皆どこかしらの教会に行って判定を受ける。

私は家から1番近い教会に来ており、そこには30人くらいの子達が集まっていた。


改めて周りを見渡す。

知った顔と知らない顔が半々くらい…といったところだろうか。

2、3人うつらうつら…としている子が目に入り、ちょっと安心した笑


それにしても……話が長い。

お偉いおじさんの話が長いのは異世界ですら公認なんだろうか…9歳児の精神力ではなかなかキツい。

座りっぱなしで痛くなってきたお尻を交互に浮かせ始めたところで、やっと 話が終わった!


司祭と入れ違いで見習い風の人がなにやら「いかにも!」な感じの球を持って出てきた。そして属性判定の説明が始まった。



「これから属性判定を始めます。名前を呼ばれたら、壇上に上がってください。そしてこの魔球に手をかざして、魔力を流し込んでください。するとこのように、魔球が変化します。」



見習い風の人が手をかざすと…白く濁っていた魔球は、すうっ、と透き通り、青に変化した。

初夏の青天のような綺麗な青だ。



「色は属性、透明度は適性を表します。青は水、赤は火、緑は風、茶は土、黒は闇、それと…噂では光は紫や黄色、オレンジなども含んだなんとも不思議で美しい輝きを放つそうですよ。いつか見てみたいですね。」



…フッフッフ、、なんと目の前に!いますよ!光属性持ち!!今から見せてあげますので!!楽しみにしててくださいねっ!!


ーーーーなんて思っている間にも説明は進む



「滅多に見られませんが、貴族では魔球の向こう側が見えるくらい透き通った適性を持つ人もいるようです。適性は鍛えられますので、仮に魔球が濁っていたとしてもあまり気を落とさないでくださいね。

では、呼ばれた人は壇上に上がって下さい。」



さっそく属性判定が始まった。

魔球の色は、ほぼ目や髪と同じ色だった。この辺は茶髪が多い。魔球もほとんどが茶色を示した。

10人目くらいに名前を呼ばれた。

返事をして壇上に上がる。


ゲーム内では光属性は七色の演出が多かった。きっとこの魔球も七色に煌めくのだろう。

さあっ!光りたまえ!

意気揚々と流し込んだ魔力は魔球に吸い込まれ……



ーーーー濁りが晴れ、透き通った魔球に表れたのは…深い青と茶のコントラストだった。


まるで…地球のような美しい魔球に場がざわつく。



「2属性持ち…っ?しかも……この透明度…これは貴族でもなかなか見ませんね…」


「先月に続いて今月も2属性持ちが表れるとは…なんとも運のよいことよ…」


「凄い…キレイ…!」



感嘆の声を漏らす周囲とは裏腹に私は焦っていた。



[えっ、?2属性?…2属性??いやいやいや、違う違う、私は3属性持ちのはず……えっ??光属性は??光属性がなかったら私は…]

呆然と魔球を見つめる。…やはり2色にしか見えない。



「っ!、あの!!もう1回やってみてもいいですか!?」


「もう一度…ですか?まあ、私達には珍しい2属性持ちというのが信じられないのも分かりますが、何度やっても結果は変わらないと思いますよ…?それに、貴族の方々には3属性持ち…」


「もう1回やらせてください!お願いします!!」


「そうですね…では特別にもう一度だけどうぞ」


「ありがとうございます!」



魔力を指先に集中させる。そして光魔法のイメージを頭で練る。

身体中の魔力を指先に集めたところで、魔球が虹色に輝くことを切に祈りながらそっと魔球に触れる…


魔球は私の魔力に呼応して透き通り……………


……やはり表れたのは深青と茶のコントラストだった。



「もう一度見ても美しい魔球ですね、、」


「サラちゃん…凄い!」



称賛の声も今の私には意味を成さない。[っっ!、なんで、、どうして、、、光属性が無いの??これじゃあ学園に入れない…学園に入れなかったら私は…そもそもどうやって第1王子に出会うの??]



頭の何処かにこびりついていた[20代には帰れない]という可能性が突然現実味を帯びて纏わりついてきた。


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