表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/17

はじめまして、「サラ」

ルカが連れて帰って来てくれた私の家は、案外まともな家だった。

確かヒロインは貧乏に片足突っ込んだ設定だったような気がするので、家がボロ小屋ではなかったことに心底安心する。

全体的に四角い印象のレンガ造りの家の所々新しくなっている壁は、記憶によれば「私」が破壊したらしい……

これから色々やらかす予定を持った身としては既にお転婆で通っているのはありがたくもあるが…壁を破壊するのは少々やりすぎでは…と心配になる。


この世界での親はどんな人なんだろう?

恐る恐る玄関を開けて家に入る



「た、ただいまー…」



家に入ると、ふわっ、と美味しそうな匂いが漂ってきた。



「おかえり~ ご飯にするから手洗ってきてね、」



出迎えてくれたのは、柔らかそうなナチュラルブラウンの髪を低めに1つで束ねた優しそうな顔立ちのお姉さんだった。[お姉ちゃん…?なんていたっけ??]と不思議に思っていると、ルカの時と同じように記憶がよみがえってきた。

なんと、母親だという。[神前 紗良]とそう変わらなく見えるのに…、?と思ったら26歳らしい。若い…

そして記憶の[怒ると怖い]の主張が強い…どれだけ怒られて来たんだ私は……


とりあえず[サラ]の記憶にしたがって洗面所へ手を洗いに向かう。


と、そこで私は初めて自分の顔を見た。



「わあ、!ゲームだと後ろ姿と横顔しか見えなかったけどなかなか可愛い顔してるじゃん!

さすがヒロイン…これなら次々とイケメンが寄ってくるのもちょっと納得かも…」



肩ぐらいまでのダークブラウンの髪は艶があり、両手で覆いきれるくらいの顔には、存在感のあるぱっちりとした目と小さく高めの鼻がバランスよく配置されている。唇は薄めだが形がよく、肌はむいたゆで卵のように白くて張りがある。

「純日本人!」といった感じではないが、そこまで日本人離れしているわけではなく、親近感は持てる。日本人基準で考えると、ハーフかクウォーターに近い…といった感じだろうか。

…日本だったら間違いなく芸能人レベルだ。

「○○○○○年に一度の美少女!」と言われてもおかしくない。


やっぱりここでも私が入る前の「サラ」についての記憶がよみがえってきた。

ーー 色々やらかした後の怒られた記憶に身震いする。


『レサーラ・カンザキ 8歳 呼び名 サラ

属性 不明

家族構成は、 父・母・妹

明るく元気。元気過ぎて色々問題を起こすことも。

好きな食べ物は………』



と、ここまでヒロインの中々の顔面偏差値とよみがえった怒涛の記憶の情報量に気を取られて気がつかなかったが、よくよく見るとゲームの中で見た時と目や髪の色合いが違う気がする…



「あれ…?ヒロインの目ってこんな黒かったっけ…?あと…髪ももっと明るかった気が…?」


そうなのだ。ヒロインの目は薄茶色というかヘーゼルというか…とにかくもっと明るい色で、光属性の魔法を使うと七色に変わる…といった感じで、その光属性持ち特有の目が美しいと言われていたはず(実際に顔は映っていなかったので見てはいないが)で、髪は光に透かすとキラキラと輝くライトブラウンだったはずだ。


しかし、今鏡に映る目と髪の色は「紗良」の時とあまり変わらないダークブラウン。


それに…



「属性不明?…ってなに?光属性は??」



ヒロインが平民でありながら、ほぼ貴族しかいない学園に特待生として入学し、王子を始めとする攻略対象達との恋を始められたのは、ヒロインが約50年に1度世界にひとりだけ現れる『光属性』持ちだったからだ。

と、いうことは、そもそも光属性を持たなかった場合、第1王子攻略以前に学園入学すら危ぶまれる。



「もしかして…結構ピンチ??」



新たに浮上した[そもそも学園に通えない]という可能性に鏡の中の私から血の気が引いていくのを感じた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ