(5)授業
教室にはなんとか間に合った。自分の体力の無さに呆れつつ、授業の準備を始める。え〜と、たしか二限は国語だったな…。国語の準備をする。
美優はもう席に着いて、教科書を読んでいた。
「つまらないわ、この教科書。」
「なんで?」
「おもしろくないものはおもしろくないのっ。」
聞いて損した。なんちゅう理不尽な解答だ。
「あ、そですか。」
適当に返事をし、席に着いた…。
キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン
チャイムがなる。授業開始だ!
しかし、最初の授業といってもほとんど自己紹介で終わった。なんか多いな〜、自己紹介。まあ小学校と違って教科ごとに先生変わるからな。名前を覚えるのが大変なんだろう。先生方、お疲れ様です。自己紹介の後はノートの取り方や予習の仕方を教えてもらい、授業終了。ちゃんと予習出来るかな、俺。そんな不安が募るばかりだった…。
しかし、それから何事もなく、一週間が過ぎた。学校にも慣れてきて、毎日が楽しかった。美優とも、気軽に話すまでには、なっていないが、なんとか普通に会話ができるようには、なっていた。
「先生の話ってなんでこう長いのかしら。要点だけまとめて言えばいいのに…。」
また無茶苦茶言ってるよ…。
この美優が突然言い出す、無茶苦茶な言い方にも慣れていた。人間の適応力、恐るべし。
「しょうがないじゃないか、先生も努力してるよ。」
「でも、長く感じるの!」はあ〜。一つ発見したことがあって、それは美優が少し自己中だということだ。
「それでは、連絡します。」先生が話し始めた…。