(13)塾にて…
最近いそがしくて大変です。でもがんばって書きたいと思います。では、今日のキャラ紹介は大柱 堅人です。
6時を過ぎてしまったが、やっぱり塾には行かなければならない。
疲れた疲れたと思いながらも塾に向かって歩く。
塾に着いて適当な席に座り、一息つく。教室には十人くらいの生徒が真剣な顔でプリントとにらめっこしていた。
「はあ〜〜〜、………………………………?」
視界の中に見覚えのある姿が入った。
「………なんであいつらがいるんだ。」
なんと、堅人と浩樹がいるのだ!
まあ、彼らも本気で勉強する気になったんだろう。
良いことだ。
という風におもいっきり上から見ているような発言を心の中でしつつ、自分の勉強を始める。
今日は数学をやろうかな。
二人は近くの席にいるので会話が所々聞こえてくる。
「やっぱりいいよな〜。
あの人は。」
「はいはい。」
どうやら堅人が女子の話をして浩樹を呆れさせているようだ。
変わらん奴だなぁと思っていたら先生が教壇に立った。
「?」
注意をするか特別な連絡がない限り先生がそこに立つことはないので、みんなの頭の上にハテナマークが出ていた。
「今日は大事な連絡がある。」
今日は後者のようだな。
「諸君らは、いつもこの教室に来て、勉強をがんばっていて大変立派である。
そんな君達を信用して今日から先生達はこの教室を見回らないことにした。」
教室の中がいっきにざわめいた。
先生がいなければなんでもやり放題だからな。
「だからといっても騒いでいいというわけではない。諸君らの自主性を高めるための対策である。では今日もがんばって勉強に励んでくれたまえ。」
そう言って先生は出て行った。
教室のドアが閉まった瞬間またざわざわとし始めた。
「先生来ないってよ。」
「ラッキー。俺ゲームしよ。」
至る所でこのような会話が展開された。
騒がしくなるなと思いつつ計算に戻る。
あぁ〜,つらい…。
なんだかんだで塾の終了時間になった。
帰り際に堅人と浩樹に声をかける
「よう!おまえらもこの塾に入ったんだな。」
「おっ、ひろじゃないか。そういや前にこの塾に入ったってお前から聞いたな。」
「そうそう。で、誘っても来なかったのにどういう風のふきまわしだい?」
俺が聞くと堅人ではなく浩樹が答えた。
「それはね、僕は勉強するためだけど堅人は千子さんがこの塾にいるって知ったから何だよー。」
「ああ、やっぱり。」
「やっぱりとはなんだ!」堅人は怒った口調で言う。
「好きな女子のためならたとえ火の中、水の中、塾の中……」
「はいはい、わかったから。」
こうなるときりがなくなるので早めに止める。
「まあ勉強がんばろうな。」
「うん。勉強をね。」
「おい!俺をおいていくんじゃねぇ!」
俺と浩樹で意気投合しているところに堅固人がつっこむ。
うん。やっぱり騒がしくなりそうだ。
そう思い直し、三人で塾から帰った…。
廣の小学校からの親友のひとり。とにかく女癖が悪く、好きな女子が出来ると、妄想がひどくなる。妄想を始めると、人の話がまったくと言っていいほど入らなくなる。小学校の頃から一緒だった人にとってはいつもの事だが、初対面の人にとっては、ただの危ない人である。ぺらぺらと女子の話をするくせに、いざ好きな女子の前に立つと緊張して声もだせなくなる程の小心者。しかし、それ以外は誰とでも話せる性格なので、初めての環境でもまわりに溶け込むのが得意。