(10)ゆったりとした一日
次の日、俺は午前の授業をクリアし、昼休みを教室の自分の席でひなたぼっこしながら満喫していた。あぁ〜、心が癒される〜。
「何、じじ臭い事言ってんのよ。」
隣で何か書いていた美優につっこまれる。
しょうがないじゃないか、気持ちいいんだから…。
「そんな事よりっ、ひろ、あんた書いたの?」
「書くって何をだ〜い?」だらーんとした言い方が美優の逆鱗に触れたらしい。いきなり脇腹をどつかれた。
「何って、入部届けよっ!ひろはもう出したの?」
「もう出したよ。朝のうちにな。」
脇腹が妙に痛い。これはかなりやり過ぎのレベルだ。
「そっ、そうなの?てっきりまだ出してないのかと…。」
俺を誰だと思ってるんだ。副級長の仕事をそつなくこなす、瀬渡様だぞ。
ここで一つ補足説明!
すっかり忘れられているかもしれないが、俺は副級長である。副級長は級長より仕事が多く、出席簿を書くなどの面倒で細かい作業を必要とする仕事もある。
それを毎日欠かさずやっている几帳面な俺が、部活の入部届けなんかを忘れる事なんてしないのだ。
「もしかして美優〜、忘れてたのか?」
「わ、忘れるわけないじゃない!そんなの当たり前よ!」
でもね、美優、俺は今君が書いていたのが、入部届けだって事はちゃぁんと知ってるんだよ?
でも口に出しては言わない。言ったところで殴られたり蹴られたりして、結局損するのは俺だからな。
今日はそんな風に、ゆったりとした一日だった…。
次回から後書きにキャラ紹介を書きたいと思いま〜す☆