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(1)登校

…じりじりじり〜

目覚まし時計が鳴っているのが聞こえる…。

俺はそれを聞きながら、もう朝なのかと思う。

じりじりじり〜

じりじりじり〜

じりっっ

アラームを止めて布団を畳む。

「ついにこの日がきたか〜。」

そう、今日は俺にとって中学生になって初めての登校日なのである。

「遅れんようにしないとな。」

初日から遅刻なんて最悪だ。

俺は足早にキッチンに行き、ラップに包まれた朝食を食べる。

両親はまだ寝ている。

それは長めの残業のせいかもしれないが、自分の息子の初登校の日に寝ているなんてひどいじゃないか。

「まあ、でも慣れてるしな。」

さっさと飯を食べて支度しよう。

真新しいカバンを背負い、俺は家を飛び出した。



しばらく歩いていると、普段と違う道で緊張している自分に気付いた。

こんな事じゃだめだと、気合いを入れていると後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた。

「お〜い。ひ〜ろ〜。」

自己紹介がまだだったが、俺の名前は瀬渡 廣だ。

んで、今声をかけてきたのが…

「待ってくれよぉ〜。一緒に行こうぜ〜。」

俺にとって腐れ縁であり、親友でもある大柱 堅人だ。〔けんじん〕ではなく、〔けんじ〕と読む。

小学校の時から同じクラスになりつづけ、中学でも同じクラス、という奇跡を起こしたわけだが…。

「まったく、お前はえ〜よ。」

「いたって普通に歩いていたが…。」

まあこいつの事は小学校の頃からの付き合いだから、大抵の事はわかり合っているつもりである。

「なあ〜、お前もう目〜付けた?」

「何にだ?」

「何って女子の事に決まってるじゃねぇか!」

そうだ。思い出した。こいつは堅いという字が名前に入っているくせに、女癖が無茶苦茶悪いのだ。

「俺的にはそうだなぁ〜、隣のクラスの白石 千子かな。」

勝手に言ってろと思ったが、入学式の呼名の時に〔チコ〕という名前の珍しさに俺はその女子を覚えていた。

「珍しいよな。チコって名前。」

と俺が言うと…

「なに〜?貴様も白石さんを狙ってるのかっ。そうはさせないぞ。俺が先に狙ってたんだからな!早い者勝ちだぞ!

はあ〜、白石さん…

お近付きになりたい〜。」駄目だこいつ。

この状態になると何を言っても無駄なので、俺はこの妄想男に対して黙祷をささげた。

さあ、始まりました。廣の中学校生活!この後大変なことに…

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