001話
大変遅くなり申し訳ございません。
勉強はほとんどできず前とあまり進化してないかもしれませんが、きちんと終わらせるつもりで再開します。(メンタルも豆腐のままです…)
ペースは前回と異なり週1土曜日になると思いますが今後ともよろしくお願いします。
5月9日 6時15分 スタンビードまで後5日
太陽が昇り始め窓から差し込む光で目が覚める。
「あぁ昨日あれからホテルに泊まったんだっけ」
周りを見渡すとお袋の姿はなくテーブルに置手紙とビニール袋が置かれていた。
俺は起き上がりテーブルから手紙を取る。
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亨へ
正直話したい事は色々ありますが、前を進み出した亨のやる気を無くさせる様な事はしたくないので今日は帰ります。
落ち着いたら今度電話で良いので話を聞かせてちょうだいね。
夜中に目が覚めたらお腹が減っているだろうと思い好物の肉巻きおにぎりを買って来たので食べて下さい。
母より
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ビニール袋の中を覗くと肉巻きおにぎり3個と下着が入っていた。
「わざわざ繁華街に買いに行ってくれたのか、お袋…気を使ってくれてありがとう…いただきます」と言いながらビニール袋から肉巻きおにぎりを取り出し食べ始める。
数十年ぶりに食べた肉巻きおにぎりは冷めても美味かった。
よほどお腹が減っていたのか3個の肉巻きおにぎりを一気食いする。
「く…苦しいみ…水」と慌てて備え付けられてるコップに「ヴォーダー」と唱えるが水は出ない…「ウォーター」と正しく唱えコップに水を注ぐと一気に飲む。
「はぁはあ…危なかった…」
≪帰還者Y氏ホテルでおにぎり喉に詰まらせ窒息死≫とか洒落にならないぞ!
とかアホな事を考えてると、部屋に備え付けられている電話が鳴る。
俺は受話器を取り「は…はいもしもし?」
女性の声「おはようございます大塚です、吉川さん朝食はどうしますか?」
亨「大塚さんおはようございます、たった今お袋が買い置きしてたおにぎりを頂きました」
大塚「そうですか、では8時から協会で話が有るので参加して貰えますか?」
亨「皆さんもですか?」
大塚「はい私も他の皆さんもご一緒です」
亨「解りました、では7時30分頃にフロントに行きますね」
大塚「いえ部屋で待機しててくださいホテルの裏口から出ますので」
亨「解りました、では失礼します」
大塚「では後程」
受話器を置きまず顔を洗いTVを付けると朝のニュースでダンジョン行方不明者続出?!とテロップ付きで放送されてた。
どうやら他にもダンジョン行方不明者が出てるらしい
そして異例ではあるが深夜2時にダンジョン協会の会見があり自衛隊員が6・7・8・9階層にて探索中生存者が発見され帰還できた事を伝えたと報じている。
「生存者が帰還かそれにしても6〜9階層かぁ飛ばされる階層はバラバラなんだな」(まさか強さに応じて転送先が違うとか無いよな…)
男性MC「自分たちで帰還したメンバーも居るようです、こちらが映像になります」
(ん?まさか…)
そして映像が始まる。
『転移が起動します水晶から離れて下さいショップ利用は中止させて頂きます』
『転移が起動します水晶から離れて下さいショップ利用は中止させて頂きます』
男性MC「この後約1分後に映像は移ります」
映像が切り替わり誰もいない場所に突如6人の男女が現れ
「か…帰ってこれた?」
「う…うんた…多分?」
「よ…良かった…」
「お…俺は…生きてる!」
「ほ…本当に地上に…」
各々口にしてる。
そこに菊池アナウンサーが近づき
「あ…貴方たちはダンジョンで行方不明になられてた方ですか?」
その後突如男性が震え始め倒れた。
女性が「〇〇さん?!しっかりして!」と体を揺らしている
菊池アナウンサー「そちらの方は〇〇さんと言うのですね!一体何が有ったんですか?」
アナウンサー以外の顔にはモザイク名前であろう所にはピー音が入ってる。
「お前ら仕事かもしれないが少し空気読めよ!」と怒鳴ってる。
そして自衛隊が駆け付け運ばれていく姿をカメラは捉えてた。
「え?こ…これって俺達じゃ?!」スマホを手に取るが充電切れている。(しまった忘れてた!)
男性MC「プライバシーの保護の為顔にはモザイクとお名前は伏せさせて頂きますが、突然姿が現れるなんてまるで映画のようでしたね」
女性アナウンサー「ほんとう不思議ですよね」
女性コメンテーター「何故男性は倒れたんでしょうね?」
男性コメンテーター「安心して気を失ったのでは?」
俺は何故か怖くなりTVを消す。
亨はまだ知らない…地方局でもダンジョン前で生中継していた映像の存在を…在りのままの映像が世に出てる事を
「暇だな…筋トレしてシャワーでも浴びよう」
そう言いながら部屋で軽く筋トレしシャワーを浴び出てきて
「しまった昨日疲れてたから気が付かなかったが、着替えがない」と先程の袋の中に下着が有ったのを思い出し着替えを終える。
「一回家に帰りたいな…」と呟きながら時間が過ぎるのをぼーとしながら待つ事にした。
7時30分になり「コンコン」とノックをする音が聞こえる。
大塚「吉川さんそろそろ行きましょうか」
亨「はーい」と言いながらドアを開け通路に出ると他のメンバーと家族が数名居た。
PTメンバーがそれぞれ「おはよー」「おはようございます」等声をかけてくれるので「皆さんおはようございます」と返す。
大塚「吉川さんお母さんは?」
亨「気を利かせて昨夜帰ったみたいです」
大塚「そうですか、では参りましょう」
そして2回迄エレベーターで移動しそこから非常口から外に出て車に乗り込む
亨「一之宮さんクリーンをお願いしても良いですか?」やはりジャージは昨日のままだったので気分的に宜しくないと思い一之宮に頼む
一之宮は「OK」と言いながらクリーンをかけてくれる。
そして赤江や清武も同様だったらしくかけて貰ってた。
新名「魔法てほんと便利だよねー」皆うんうんと頷いている。
そんな事をしてるうちに県庁裏口に到着した。
昨日の会議室に向かう途中に皆の家族は別室に移動する。
大塚は小声で「吉川さん無理なら無理とはっきり断ってくださいね」と伝えてくる。
亨「は…はぁ」(何の事だろう?)と思ってると会議室に到着し中に入って椅子に座る。
すぐに協会支部長の宮脇が入ってくる。
宮脇「皆さんおはようございます、昨日の事は大塚さんから報告を受け皆様には確認と思い集まっていただきました」
宮脇がその後大塚から受けた報告内容を読み上げ間違いないか確認を取る。
皆は間違いないと揃って言う。
宮脇は申し訳なさそうに「昨日の事は口外しない様にお願いしたいのですが、よろしいでしょうか?」
清武が席を立ち上がり「何で口外しちゃいけないんだ!言論は自由だろ!」少し語気を強め宮脇に反論する。
亨(あれ?清武さんって、こんな感じだったっけ??)
宮脇「いかんせん未だどのような対応をすればいいのかこちら側も困っているのです」困り果ててると
赤江が席を立ち「俺は口外する気は無いですよ」
新名は座りながら「そうだね〜言っても質問攻めは面倒だし」
一之宮も座りながら「今日ホテルの入り口にもマスコミ来てたみたいだしね面倒事はごめん」
亨(え?そうだったんだ…あ!だから非常口から出たのか!それに大塚さんの言ってた無理なら断ってくださいとはこの事だろうか?)
亨も座ったまま「自分も口外するつもりはありません」
清武は周りが口外しないと言い出すのを聞くと焦りながら
「み…皆が良いなら自分も…しなくても良いかな…」と渋々了承する。
宮脇「ご協力ありがとうございます」
そして宮脇は申し訳なさそうに
「それと一つお願いが有ります。木花さん村角さんのご家族の為にも遺体を回収して貰えないでしょうか?」
場の空気が一気に凍り付く
亨(大塚さんの言ってたのはこの事か!)
清武は机を「バン」と叩き「冗談じゃない!どれだけ危険だと思ってるんだ!自衛隊が行けばいいだろう!」と先程より大きな声で怒鳴る。
宮脇「ごもっともです。ですが宮崎の自衛隊員の到達階層は大塚を除き5階層なんです。そしてダンジョン内では24時間物を放置すると、どういう訳か消滅してしまうのですが……まだ間に合うかもしれませんので…」
亨(0時リセットとかじゃないのか!家のダンジョンとはやはり違うんだな…でも回収は可能なら…)と考えてると赤江が手を上げ発言する。
赤江「お手伝いできるなら参加したいですが、さすがに昨日の今日で家族に心配をかける訳には…けどどうしよう…」と言いながら一之宮と新名の意見を伺う
一之宮と新名も困惑しながら家族と言われると「そうだよね…」「どうしよう?」と困惑する。
宮脇「そうですか…」と言いながら俺を見る。
亨(一人ならマジックバックも使える…なら…)そして宮脇の視線のおかげで少し声が震えながらも
「あ…あの…じ…自分一人で良いなら行かせてもらいます」
宮脇「本当ですか!!是非お願いします」と頭を下げる
大塚は悩ましい表情で何かを考えている。
(やっぱり受けるのね…でも一人でなら?何としても同行して昨日の事を確かめないと…)
宮脇「では大塚さんも同行して頂けますか?」
亨「い…いえ一人で…」
大塚「吉川さんお一人で2名をどうやって運ばれるのですか?もちろん同行させて頂きます」
亨「えっ…えっと…………」額から汗が出だして言葉を無くす。
大塚「なら私も同行します!」
吉川(大塚さんなら大丈夫だよな…)
「わかりました」
赤江「吉川さんだけに責任を押し付ける感じになっちゃうので自分だけでも参加します」
一之宮と新名はお互い顔を見合わせ頷くと「うん!私達も行くよ」とやる気を見せる。
亨「あ…赤江君一之宮さん新名さんありがとう気持ちだけで大丈夫だから、家族を心配させちゃいけないよ」
赤江は申し訳なさそうに
「本当は俺が箱をあけたばっかりに…」
亨(赤江君も本当は辛かったんだな…)
「その事は言いっこ無しで、頼りないかも知れないけどここはおじさんに任せて」
赤江「すみません、ありがとうございます」と言いながら頭を下げる。
一之宮は素直に「わかりました。ありがとうございます」
新名は笑顔で「おじさんありがとう」
とそれぞれ口にして頭を下げる。
日頃頼られる事の無い亨は「お…おう?気にせずおじさんに任せないさい」と答えてしまう。
清武が先程とはうってかわって
「なら自分もよろしければ参加しますよ?」
大塚は昨日のゴブリン戦での事と先程の発言もあり清武は信用に値しないと感じていた為
「清武さんはお仕事を優先してください」
清武は残念そうに
「そ…そうですね一応会社に連絡しましたが、申し訳ない」
亨「いえいえお気になさらず」
宮脇「身勝手な話ですが本当に二人で大丈夫ですか?」
亨「大丈夫です。自分も気になってましたので、道は覚えてますから、そんなに時間は掛からないと思いますので」
宮脇「そうですか、そう言ってくれると助かる」と言いながら頭を下げる。
大塚(吉川さんのボロが出る前に)
「では吉川さん準備して行きましょう」
亨(何の準備だろう?)
「は…はい、そうだ赤江君一之宮さん新名さんは今日は帰ってゆっくり休むんだよ!」
新名「は〜いおじさんまたね〜」
一之宮「お気をつけて」
赤江「ありがとうございます」
そして俺と大塚さんは会議室から退出する。
歩きながらふと気になり大塚に尋ねる。
「大塚さん準備とは?それに清武さんなら良かったのでは?」
大塚「実は準備はできています。清武さんの件はダンジョンでお話しします。それと11階層には水晶から転移出来るんでしょうか?」
亨「ええ多分」
大塚 (やっぱり…出来る事も知っているのね…)
「今はとりあえず水晶に向かいましょう」
亨「は…はい」
そして県庁の正面入り口から外に出るとブルーシートが水晶前迄見えない様に張られてた。
その光景に驚いた俺は
「こ…これは一体?」
大塚「吉川さんならきっと受けると思ったので、まだ8時50分ですが視線を感じない様に配慮させてもらいました」
亨「え?視線?何故それを?」
大塚「昨夜あれから皆さんの資料に目を通しまして…」(最初は吉川さんのお母さんだけど…)
亨(なるほど!行方不明にもなるといろんな所から情報を集めてたんだな…)
「そうですか…気を使って頂きありがとうございます」
大塚「私にはこれ位しかできませんから」
亨「いえ本当に助かります」
そして水晶に移動し手を触れ転移出来るか確認する。
大塚「項目に転移が有りました。では参りましょう」
亨「はい」
そして二人は11階層に転移した。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
まだまだ未熟ですが、これからもよろしくお願いします。
次回は10月12日18時上げれればと思っています。




