最終話・魔王としてのあたし
あたしは、ふと、目を覚ます。
ここは…どこ?
あたしは…死んだの?
勇者の最後の一撃…「ファンファーレ・レイ」を受けて…。
あたし、どうなっちゃったの?
「魔王様!!」
ん?
「魔王様!!」
その声は…。
「ハオたん!?」
「そうです。魔王様もこちらにいらっしゃったとは…。」
…そっかぁ…あたし…。
死んじゃったんだね…。
「ねぇ、ハオたん。状況がよくわからないんだけど、教えてくれる?」
「はい、魔王様!」
ハオたんは丁寧に教えてくれた。
こっちの世界からは、あたしの事見えたんだって…。
魔王としての意識…それは浄化され死んで、
向こうの世界…あたしたちの世界のあたしは、元の天使…。
ルシファーに戻って、生きてるって…。
…そっかぁ…あたし、意識だけ死んじゃったんだ…。
「それにしてもあの勇者…魔王様にあんなことを!!」
「ううん、もういいの。それに『魔王様』って堅苦しいからやめて?」
「あ、はい…では…。お嬢様…と…。」
「うん、なんかそれいいね♪」
なんか…こっちに来て、やっと本当の家族になった気がする…。
「魔王…いえ、お嬢様、これからどうなさいますか?
あの勇者に復習を…。」
「だから、さっき言った通り、もういいの。
あの世界はもうあたしの負け。
これからはみんなと一緒に暮らしたいの。」
「そう…ですか…。」
「じゃあ、みんなに挨拶したいなぁ…。
みんなはどこにいるの?」
「はい、こちらに…。」
「みんな頑張ったもんね♪
いいこいいこしてあげるんだ♪」
住む世界は変わったけど…。
あたしはこっちの世界でみんなと仲良く暮らしたい。
魔王って、大変だったや…。
まだ人間を恨む気持ちもあるけど…。
負けは負け。
ここは潔く…ね?
これからは、この世界でみんなと一緒に暮らしたいな…。
戦いなんて無い世界にしたいな…。
~Fin~
ここまで読んでくださった方々には感謝です!
実はこのお話しですが、前作の「よくわからないけど、異世界の女勇者と交換日記をすることになったので、とりあえず話しを合わせてみようと思う。」の読者様より、アイディアをいただきました。
「魔王編を読んでみたい」とのお言葉をヒントに、手記として速記を使った作品です。
…まぁ、前作の進行と合わせて書くのが大変でしたが…(笑)
ぜ~んぜん、リノンは動いてくれないし…私も魔王と同じくヤキモキしながら書いてました(笑)
そのせいあってか、前半はスローペースのグダグダですが、どうしても時系列を合わせて
最後の決戦まで書きたかった…と言う、作者の我儘です。
ここまでお付き合いいただいた方、本当にありがとうございました。
よろしければ、感想や評価をいただけると、次作への…そしてその他書き途中の物語を
書くための励みになります。
感想は全部返事するつもりです。
次は…「異世界で交換日記してた元女勇者レベル99が、リアルで彼女になりました。」の
春休みを超えて、新学期編にでも突入させなきゃな…とか、考えてます。
それと。
もう一つ書いてみたい物語があるので、落ち着いたらそちらも書こうかなと思います。
本編にかかわる重要人物の登場です!(笑)
では、またお会いできて、お付き合いいただけると嬉しいです。
ここまで読んでくださった方に、最大の感謝を込めて…。