(閑話休題)勇者との対決!!
わらわは屋上に居た。
勇者は…居た!
ヘビーメタルを相変わらず狩ってやがる!!
「許せん!!」
わらわは一声つぶやくと、屋上の地面を蹴った。
片翼は初代勇者に切り落とされたが…。
残った片翼でも空は飛べる。
わらわは勇者のもとにひとっ飛びして、勇者の斜め上に構える。
「!?」
「お姉ちゃん!!」
ふふふ…勇者たち驚いてる。
「なかなか来ぬから、魔王のわらわが出向いてやったわ!!」
「…。」
「お姉ちゃん…やっぱりしびれ切らせてたよ…。」
ん?
なんか反応がおかしい…。
もしかして、わらわが来るのは想定済み?
「ねぇ、魔王さん。」
「なんだ?」
「私、レベル99にしたいの。」
「なんとなく知ってた。」
「今ね、私レベル90なの。」
「それは知っておる。」
「だからね…。」
?
この間はなんじゃ?
「おうちに帰ってくれない?」
!?
なんと!?
聞き間違いか?
「…今なんと言った?」
「だから、レベル99になるまで、待っててくれない?」
「なっ、なっ…」
なんてことを!!
「おのれぇ…なめたことを…。
もうよい!
ここで八つ裂きにしてくれようぞ!」
「だ~か~ら~。待ってって!!」
わらわは愛剣を勇者に向かって振り下ろす。
勇者は毒針で受け流す。
「いい反応だな!
さすがレベル90!
今まで勇者とは違うな!」
「レベル90、なめないで!!」
今度は勇者がわらわに向かって毒針で応戦してくる。
…そんな初期装備、わらわに通じるとでも?
わざと受けて、力の差を見せてやろう!
「やぁ!!!」
「!?」
ダメージ10。
あれ?
予想以上に痛くね?
「そんな装備でわらわにダメージが通るとでも?」
「…あなた、涙目よ?」
「!?」
くっ、わらわとしたことが…。
屈辱…。
だが、ダメージは10。
そんなのすぐに回復する。
「でも、そんな攻撃でわらわを倒せるとでも?」
「…一応思ってるけど?」
「!?
なら、ここで葬り去って後悔させてやる!!」
わらわは剣を繰り出す。
が、勇者も素早くなかなか当たらない。
毒針を1発、2発と受けてしまう。
ダメージは10…。
「あはは!!!効かぬは!!!」
「せい!!!」
勇者が毒針を乱打してくる。
!?
隙をつかれてしまった!
数発入るも、ダメージは10…。
「ははは!!本気でそれで勝つ…」
「てい!!」
「!?」
勇者の毒針はわらわの肩に突き刺さる?
え?
ダメージ300!?
「なっ、なっ…。」
「急所に入ったみたいね。
じゃあ次!!」
勇者のラッシュが続く。
容赦なく、急所の肩にダメージを入れてくる。
「なっ、そこ、ずるいぞ!!」
「魔王に手心は不要!!」
え?
なに?
この勇者…。
鬼?
「…もうその腕は動かないようね…。」
「くっ…。」
「どうする?おうち帰ってくれる?」
「くっ、くそぉ…、覚えてろよ!!!」
…ナニアレ?
あたし、変なのに喧嘩売った?
アレ、ユウシャナノ?
オカシクナイ?
アタシヨリ、ラスボスッポクネ?
あたしは、なんだか危ないものから離れて、おうちに帰りました…。