ろんぐいあーらびっと。
翌朝、グレッドは目を覚ました。前の人生と比べても、これほどぐっすり眠れた日は他に無かったと思う。
ぐっと大きく伸びをし、軽く身体をほぐしながら、外に出た。
母ゴブリンによれば、ここら辺はゴブリンでも難なく狩れる魔物が居ると言う。先ずはそれを倒してレベルを上げる予定だ。
『その前にっと』
流石に噛みつくのはまだ抵抗があるので、武器にならないかと、適当な木の棒を手に取り、振り回していた。どこぞの孫○空である。
すると知らないゴブリンが話し掛けてきた。
『ギャハハ、何やってんだよあんさん。それじゃウサギ1匹すら殺せやしないぜ?』
母、妹ゴブリンと比べると、このゴブリンの方がでかい。オーガかも知れない。
『言っとくが俺はオーガじゃないぞ?ゴブリンソルジャーのゲスタフだ』
名前までオーガっぽいな。にしてもゴブリンソルジャーか。進化か?それとも職業なのか?わからないな。
『その木の棒を振るんだったら、腰を落として、しっかりと正面に振り下ろせ。幾らかはましだ』
ゲスリンさんはそれだけ言うと、どこかに歩いて行った。剣の心得とかあるのかな?ゴブリンなのに。
まあ、なるようになるだろ。所詮木の棒だしな。
気合いをいれ、集落の外に出ようとする。見張りのゴブリンは居眠り中だった。こいつのレベルは3。仕事しろ。
この集落もそうだが、辺りは大体平原だ。ぽつりぽつりと林があるぐらいだった。道にはまず間違えないだろう。
少し経つと、目標の経験値を発見した。
そう。ウサギだ。
先ずは遠目に鑑定を掛けてみる。射程距離の所為か?鑑定が出来ないな。それか、とてもレベルの高いウサギか。
ジリジリと距離を詰めていくと、やっと鑑定を掛けれた。レベル高くなくて良かったと安堵しながら、ウサギのステータスを見つめた。
ロングイアーラビット
Lv.2
『情報量少なっ!!』
思わず声を出してしまい、向こうにも気付かれた。
ウサギは警戒しているのか、近寄っては来ない。
ならやってやろうじゃないか。ゴブリン、出ます!!
『うおおおおおおおおおお!!!』
雄叫びを上げながらウサギに飛びかかって行った。