ぷろろーぐ3
思い返せば、激動の人生だった。
小学生の時には両親と死別。中学生の時は一時不登校。高校にはなんとか上がれたが、バイト学生だったので、生活は苦しかった。
それでも祖父と、祖母はこんな俺を大切に育ててくれた。キャバクラとホストに連れて行く約束は果たせそうにないな。ごめんよ。
今の自分の状況がどうなのかは直ぐに分かった。
「義仁!!おい義仁!!!」
必死に秀人が俺に向かって話しかけてくる。
「お前が死んだら俺はどうすりゃいいんだよ!!誰をいじったりしたらいいんだよ!!!」
そこかいっ!!全力で殴り飛ばしたいが、身体は意に反し、全く動かない。視界も既に霞んできた。
「お、女の子に、怪我はない、、か?」
まあバスが俺に突っ込んで来たから、無事だとは思うが念のためだ。よく即死じゃないな俺。
「ああ!!全くの無傷だった!もうどこかに行ってしまったよ!!」
おい!せめて看取ってくれよ!!
糞っ、意識がだんだんと保てなくなってきた。
「秀、と、俺か、らの最後の、頼みだ、」
「じいちゃ、んと、ばあ、ちゃんをホストと、キャバク、ラに、連れて行って上げ、てくれ」
ここまでが限界だった。
遠ざかる意識の中。秀人の声がだんだんと小さくなっていった。
「義仁!!!おい!畜生!!誰か救急車!ハゲが死んでしまう!おい!おい!!!ハゲェェェェ!!!!!
」
最後のハゲは絶対忘れないからな。お前の一族全員ハゲさせる呪いでも掛けてやるからな。
こうして俺の意識はフェードアウトしていった。
〈ふーん、中々良さそうじゃない?〉
〈器は用意できなくもない。〉
〈アレは俺がほしい!!〉
〈それより腹が減った〉
〈もう帰っていい?〉
〈私はアレよりあっちがいい〉
〈くだらん!!こんな事の為にわしを呼ぶな!〉
とある神達は暇つぶしにと、種を厳選していた。