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私、勇者として召喚されました  作者: 乙女の涙
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第九十七話 私、国王様を配下にしました。

あー、草原の風が気持ち良い。

乾いた空気が暑い日差しで火照った身体を冷やしてくれるからね。


それにしてもその背後では草原には不似合いな死屍累々な風景だね。

まだ倒れてる人も居るからね。

誰がこんな事をしたのか。

あっそか、私だ。


それじゃ、責任を取って元気にしてあげようかな!

勿論、配下にするつもりだよ!

うへへ、バララークさんの記憶じゃ悪い人がいっぱい居るみたいだからね。

悪人を一網打尽にしちゃおう!


それに暇だしね。

(しずか)(しのぶ)も気絶したままだしね。

魔力をどんどん流し入れても起きないから諦めたよ。

ま、そのうち起きるでしょ!

《時空間》で日差しの調整でもしておこう。

日焼けしたら後が面倒だからね。


ではでは、奇跡の行為の為に小道具の準備を始めよう。

まずは魔力で適当な大きさの布を作ります。

命名、『黄金の毛皮』です。

ギリシャ神話に出てくる金羊毛をモデルにした、ただの布です。

これを魔王時代の世界から持ってきた魔道具だと称して使おう。

それっぽい様に幾何学模様にしとこう。

そうだね、効果は傷を癒す事にしておこう。


善は急げだ!

レッツゴー!

風を切って走る私、画家が見たら迷わず絵にするだろうね。

この完璧なフォームに感動してね!


あ、ナイトゴブリン達は大丈夫かな?

《時空間》で見てみよ。

うん?

何人か緑の人を見つけたみたいだね。

背負られてる人が何名か居るね。

全員がグッタリしてるって事はやっぱり私の歌の影響かな?

ごめんね!


「国王様、少しよろしいでしょうか?」


「勇者シズクよ、どうしたのだ?

何やら先程には持っていなかった物を持っているようだが。」


まずは『黄金の毛皮』の説明からだね。

私のトーク技術を披露しよう!


「はい、これは『黄金の毛皮』という私の世界の魔道具です。

先程、持っていた事を思い出した物です。

これを掛けると傷を癒し、状態異常を回復させる効果があります。

倒れている方にこれを使ってもよろしいですか?」


本物の金羊毛も浄化とか聖なる捧げ物だったみたいだしね。

此処に居る人達を配下にする為の捧げ物って訳だね。

ちゃんと治癒するから安心してね。


「そのような物を所持していたとは。

では儂から掛けて貰っても良いか?

皆に使う前に儂が確かめた方が皆も安心するだろう。

そしてこの世界でも効果があるとは限らんからな。」


早速、大物が掛かりました。

国王様は優しい人みたいだからね。

命も狙う輩も居るみたいだし丁度良いよね。

ほら、死んでも生き返られるし。


でも国王様、その対応は王としては駄目じゃないかな?

人を過信したらいつか酷い目に遭うよ?


ま、いいや。

アングラさんが走って来たから急いでやっちゃお。


「はい、分かりました。

では掛けます。」


国王様に『黄金の毛皮』を掛けて【浄化】と【ヒール】、《魔王の契約》を同時に掛ける。

【浄化】も【ヒール】もスキルレベルを10まで上げてるから怪我も治るしその後の細菌感染も無いから安心仕様です。

はい、国王様を配下にしちゃいました。

勿論、《狂人の祟》は使わない。

そんな事をしたらメカルーネさん達にバレちゃうからね。


「貴様ァ、国王陛下から離れろぉぉ!!!」


私の体を押し倒そうとするアングラさんを華麗に避けてついでに『黄金の毛皮』も回収した。


「国王陛下、ご無事ですか!?」


「アングラよ、安心せい。

儂はこの通り無事だ。

ふむ、先程から鳴り止まなかった耳鳴りや吐き気、頭痛も消えたか。

よし、勇者シズクよ、他の者にも頼む。」


「はい!」


さぁ、配下狩りの時間だよ!


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