第九十六話 私、状態異常の封印を知りました。
「【王印】。
これであの者達もこの者達が敵とは思わないだろう。」
「では行かせます。」
国王様がゴブリンナイトに【王印】というスキルを使った。
見た目は変わらないけど国王様からゴブリンナイトに魔力が流れたのは分かった。
魔力で作った目印って事かな?
『今から映像を見せる!
その映像と同じ人を探して倒れていれば此処に連れて来て!
後は君達に【ヒール】も渡しておくよ!
それとあの子がナビゲートしてくれるからそれに従ってね!
じゃあ行って!』
オォオオオォオオオォオオ!!!
ダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!!
「勇者シズクよ、頼み事を聞いてくれて助かった。
しかし、其方の娘は見当たらないが平気か?
」
おぉ、私の娘の心配をしてくれるなんて優しい王様だね。
見た目は青白い豚だけど。
うん、見れば見る程バララークさんに似てるし、兄弟でもこんなに性格が違うんだね。
「えぇ、大丈夫ですよ。
ゴブリン達が守っていますから。」
《時空間》と【結界】を張ってるから言えるんだけどね。
「勇者シズクよ、先程の歌の影響で城に帰れないやも知れん。」
え?
お城に帰れない?
どうして?
「何故でしょうか?」
「先程の勇者の歌には封印の状態異常付与もあったらしくな。
そこのアングラも先程、【テレポート】を使おうとしたが使えなかった。
もしかすると殆どの者が封印に掛かったやも知れぬからな。」
私の歌のせいって訳だ。
うん、どう考えても私が悪いね。
文句の言いようが無い。
「すいません。」
でもシール?
もしかしてゲームにもよく出てきた封印の事?
ちゃんと聞いてみよ。
もしかしたら違う効果かもしれないしね。
「すいません、国王様。
私はシールという状態異常を知りません。
教えてもらえますか?」
「貴様!!!
国王陛下から直々に教えを乞うなど言語道断だぞ!
恥を知れ!」
アングラさん、耳元で怒鳴らないでよ。
本当に妬いてるの?
いいじゃん、話を聞くぐらい。
「アングラよ、勇者シズクにも敬意を払え。
・・・先程の歌で何かの状態異常にでも掛かったのか。」
ありゃ、もしかしてアングラさんも私のせいでこうなったのかな?
・・・えっと、ごめんね!
「封印とはスキルを使えなくする状態異常。
それはパッシブとアクティブのスキルに作用する厄介な物だ。」
うん、私の知ってる状態異常だったよ。
効果はそれ以上だけど。
パッシブは自動的に発動するスキルの事だよね。
術シリーズが良い例だよね。
アクティブは任意で発動するスキルかな。
【クラッシュ】や【威嚇】なんかのスキルだよね。
でも両方共封じるなんてね。
そりゃ、厄介だね。
アクティブは兎も角、パッシブまで封じるなら封印を掛けられて私が死んだらそのまま生き返れないかもしれない。
まぁ、魔王時代のスキルも封印が適用されるか分からないけど気を付けた方が良さそうだね。
封印の耐性スキルとかありそうだしその道の魔道具も存在しそうだね。
ゴブリン達に探させるのも良いかもしれないね。
あ、団体さんを見つけたみたい。
うん、いい調子だね!
「後で教育係にこの事を伝えておくか。」
「はい?
何か言いました?」
「貴様が大馬鹿者だと言ったんだ!」
「アングラよ、少し下がっておれ。」
「そんな、国王陛下!?」
そういえばゴブリンの訓練はどうしよかな?