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私、勇者として召喚されました  作者: 乙女の涙
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第八十四話 私、牢屋に来てみました。

私は二人を【浄化】で綺麗にして(しのぶ)のパジャマを作って二人を着替えさせて寝かせた。


今、私のベッドには横になってくっついてる二人の姿を見ている。

二人とも私の子守唄を聴きながら夢の中に入っていった。

あぁ、二人とも寝顔が可愛いね!


二人が寝たから部屋に《時空間》で覆って。

これで守りは完璧だね!

虫一匹でも入れないね!


私はこの世界で物語の勇者みたいな事をしたい。

でもそれよりもこの二人の身の安全を優先したいね。


まだ会って数日しか経ってないけどこんなに情が湧くなんてね。

子供、恐るべし。


そういう訳で私は今日から夜だけ世直しをしちゃおうと思うんだよ。

地球でも魔王時代性世界でも悪人は居たからね。

そいつらを全部、私の配下にして善行をやってもらおう。


そうすれば良い世の中になるハズだからね!

その前に【コピー】で姿を変えておく。

・・・テルさんの体を借りようかな?

あれ?

変わらない?

あ、レパさんの加護で変われないのかな?

じゃあ、魔力でフード付きローブに仮面を作ってっと。

これで誰も私だって分からないね!

正体を隠すのは世直し人の必須事項だね!


まずは《時空間》でこの城の牢屋を探そうかな。


ど〜こ〜か〜な〜、あ、見っけた!

何人か入ってるね!

牢屋の外に転移してっと。


〜 〜 〜 〜 〜


何日経っただろうか?

外の景色が見えないせいで分からない。

ようやくあの豚の悪事が暴けられる処で捕まった。

周りには衰弱していく娘達が拘束されてる。

あの豚に捕まった犠牲者だろう。

今は顔も見えないが酷い顔付きになってるだろう。

あの豚に何もかもを奪われここに閉じ込められてるからな。

口は塞がれてなかったが泣き声さえ聞こえない。

多分、声を出す気力さえ無いのだろう。


あの豚に使われてこの光の無いところに閉じ込められては生きる気力さえも失うだろう。

心が折れていてもおかしくは無いだろう。


そういう俺も限界が近い。

最初は励ましてはいた。

もうすぐここから出られるから、と。

俺の仲間が助けに来てくれる、と。

その可能性は殆ど有り得ないけどな。


俺の仲間はあの時に殺された。

逃げ切れた奴もいるかもしれないが生きてるかも分からない奴を助けには来ないだろう。


分かってはいる。

それでも周りの娘達を励ましてた。

ろくに水も飯も与えられてないから声すら出せないがな。


「やぁやぁ、諸君!

可愛い化け物が罪ある者を勝手に断罪しに来たよ!」


なんだ、俺の居る牢屋の前からふざけた声が聞こえてきた。

幻聴だろうか?

本当に俺は限界が近いらしい。


「ここは女の人ばかりだね。

男の人はまた別の所に居るのかな?

裸の状態で両手両足を縛ってるのが普通なのかな?」


本当に幻聴か?

もしかして誰か居るんじゃないか?

明かりも付けずにか?

豚から隠れて来たのか?

それにしてはふざけ過ぎじゃないか?


「せめてトイレぐらいは作って欲しかったけどね。

垂れ流しは酷い気がするよ。

あは、汚いから掃除しちゃおう!

【浄化】!」


その時、俺は見たんだ。

青白い光と共にそいつの姿が浮かび上がったんだ。

フードを被って顔を隠したローブを着た姿。

幻視じゃなさそうだ。


俺は助かったと思った。

あぁ、何処の誰か知らないがあの豚の悪事を暴いてくれ。

そして俺はそのまま気を失ってしまった。


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