第七十五話 私、ロネさんから怒られました。
「あんた、これで分かった?
分ったなら礼を言いなさい、心の底から!」
「はいはい、ありがとうございます、ロネさん。」
「あんた、それ適当に言ってるでしょ!!
様付けで平伏しなさいよ!!!」
今、私はロネさんから説教?を受けてます。
つい、
『加護ってそんなに簡単に渡してもいいものなのかな』
って呟いたらロネさんがキレた。
顔を真っ青にして髪なのか蔦植物なのか分からない物を逆立たせてだよ。
見た時にメデューサって思っちゃったよ。
それからは怒涛の説明と自慢と怒声と欠伸の嵐が始まったんだよ。
長かった、本当に長かったよ。
でもそれぞれの加護の効果も分かった。
メカルーネさんの加護は魔性特攻。
魔神、魔王、魔物などへの相手に防御力を無視してダメージを与える効果があるんだって。
完全に相手の防御力を無視できる訳じゃないみたいだけど。
それでも凄い効果だね。
アンさんの加護は魔法文字の作成。
存在していない魔法文字を新しく作成出来る効果があるんだって。
普通ならあまり活用出来ないらしい。
新しい言葉なんて早々に考えられないからだそうだ。
けど私は違う。
異世界の言葉を魔法文字に出来る強みがあるからね!
テルさんの加護は獣の意思の理解。
言葉を話せない獣の意思を読み取れるようになる効果があるらしい。
ただ、テルさんの加護は私が初めてだからどんな風に理解出来るのか分からないらしい。
レパさんの加護は不変。
体が変わらないようになる効果だって。
うん、攻撃を受けてもアザとか擦り傷が出来ないような体になるけど体力は減るらしい。
昔、レパさんの加護を持った人が死ぬまで加護を持った時の姿だったみたい。
く、永遠の若さと引き換えに豊胸の夢が・・・いや、まだ私は諦めないからね!
ニノさんの加護はスキルの効率化。
使用魔力が削減出来たり、効果が増大するような効果があるらしい。
この上に魔力操作を組み合わせたら最高だと思う。
ロネさんの加護は成長。
常に周囲のエネルギーを取り込み自身の成長の糧に出来るらしい。
ピンポイントで成長させる事は出来ないのかな?
「よし、決まったのじゃ!
『我が力のーーー
メカルーネさんが向けていた手を上に上げて万歳の格好でなんか唱え始めた。
ーーー我が血肉、我が記憶、我がーーー
体を揺らしたり回ったりと動きながら唱え続ける。
十二単でそんなに動いたら・・・こけちゃった。
それでも唱え続けるメカルーネさん。
ーーー死よ、我が言魂に存在をーーー
歌う様に叫ぶ様に続く。
これって呪文なのかな。
眷属ってこんな儀式で作られるんだ。
ーーー【眷属創造】!!!」
ぶ!?
【眷属創造】って言った!?
え、さっきのはスキルの呪文とか前振りとかだったのかな!?
私、そんな事やってないよ!?
慌てる私を余所にメカルーネさんの新たな眷属は現れた。