第七十三話 私、他の方からも紹介を受けました。
「いやいや、新しい眷属を作る前にまずは僕達の挨拶が先でしょ。」
十二単を着た幼女と大きな本を抱えたスーツ姿の女性に挟まれていたけど極彩色の迷彩柄の服と帽子を着た女性が割り込んで来た。
今回はみんな服を着てるよ!
前回の時にメカルーネさんが服の大切さを分かってくれたからね!
その時に眷属にも服を着せるって言ってたけどね。
アンさんはまぁ、分かる。
釣り目にポニーテールでスーツだから秘書みたいで似合うからね。
でも割り込んで来た人のそのデザインは無いと思うよ。
色々なペンキを被ったみたいなデザイン?で
腕と足の部分がふっくらとしたピエロの人が来てそうな上下繋ぎの服に同じデザインのシルクハット。
顔もピエロっぽい化粧?をしてた。
胸の膨らみも服のデザインであって欲しいんだけど。
「やぁ、勇者諸君!
噂はかねがね聞いてるよ!
僕は破壊者レパだよ!
そこの女神メカルーネ様の眷属だよ!
初めまして、よろしく!
それと勇者の記憶に面白そうな服が有ったからこれにしてみたんだ!
どう、似合うでしょ?」
レパさんが大袈裟に動きながら自己紹介をしてくる。
似合う似合わない以前の問題だと思うんだけど。
「ふ〜ん、あんたが勇者?
どこかで見かけた気がするわね。
それより私は生産者ロネよ!
私に会えた事を光栄に思いなさい!」
今度は静と同じくらいの女の子がレパさんの背後から顔を出して偉そうに言った。
花の王冠に色々な植物を織り込んだワンピースを着てた。
ただ、髪の毛が蔓植物に小さな花が付いてるみたいなのが気になるね。
あれ、こっちもロネさんの事を見た事があるような。
「・・・。」
そして黙ってこっちを睨んでる長身の女性が一人。
額に立派な黒い角が一本あって黒いチャイナドレスを着てた。
なんで上から睨まれてるのかな?
もしかしてアンさんと同じタイプの人、眷属の方なのかな?
「こっちは技術者ニノだよ!
ニノは恥ずかしがり屋でね!
勇者の事が色々と気になってるみたいだから後で話してみると良いよ!」
え?
思いっきり睨まれてるんですけどレパさん。
もしかして目付きが悪いだけの三白眼なの?
「シズク様、お久しぶりですわ。
ハンバーグとやらはとても美味でしたわ。」
あ、テルさんマグル教の人にハンバーグを作ってもらったんだ。
「よし、紹介は終わったな!
其方よ、新しい眷属の事なんだが其方の記憶を見て気付いたのじゃ!
我ら女神とその眷属だけでは思い付きもしなかった存在に気付いたのじゃ!!」
なんかメカルーネさんが凄い興奮して言ってる。
なんか子供が良い事を思い付いたみたいで微笑ましく思えるね。
私の娘達は・・・二人ともあの子の膝の上で気持ち良さそうに寝てた。
いや、助かるけど、助かるんだけどね?
あの子に子供を取られちゃったよ。
私も今度、子守唄を唄いながら膝枕してみようかな?
「其方よ、聞いておるのか!?
我は眷属で死の神を作ろうと思うのじゃ!」
前言撤回、微笑ましくなかった。