第七十一話 私、忍を養女にしました。
私の前に一人の女の子が現れた。
青白い肌に白っぽい茶色の短い髪、深い青の瞳に痩せた体だ。
服は忍者コスにしてる。
まぁ、隠密活動してもらうし雰囲気は大事だよね!
私を殺した時や鬼畜ヤロウに蹴られてた時は覆面を付けてボロボロだったから分からなかったけど忍は女の子だったんだよね。
見た目じゃ分からなかったからね。
決して仲間と思って助けた訳じゃないよ!
別に貧乳とか歳が近いとかそんな理由でもないからね!
忍は十代前半の中学生ぐらい。
洗脳と薬漬けされて暗殺者にさせられるなんて色々と思い出すんだよね。
昔の私とかね。
まぁ、だから助けた。
そう、同情したから助けた。
だから仲間とか味方とか思って助けた訳じゃないよ、本当だよ!
「やぁ、色々と話したい事もあるけどまずは自己紹介からだね。
私は早乙女 雫。
君のお義母さんになるからよろしく。
君は今日から私の養女になるから早乙女 忍と名乗るがいいよ。」
「お母さん?
お母さんって何?」
忍が分からない様子で聞いてきた。
あれ、記憶は消したけど知識は残ってるハズなんだけど。
あぁ、忍の出生だったら仕方がないか。
そんなことさえ教えてもらえないだろうし。
う〜ん、なんて説明すればいいかな?
血の繋がってないお母さん?
でもそれって結婚した相手のお母さんの事を言うんだっけ?
説明は難しいよ。
そのうち分かるようになるよね。
「お義母さんってのは私の事だよ。」
「うん、分かった!
忍だけのお母さん!」
なんかイントネーションとか違う気がするけどいいよね。
「忍、私にはもう一人の娘が居るんだよ。」
「娘?
お母さん、娘って何?」
「それは忍と静の事だよ。」
静の事も紹介しておこう。
今後で色々と会うだろうしね。
えっと、歳で考えたら静は忍の妹になるのかな?
「ここに寝てる子が静って言うんだ。
忍の妹だよ。」
「妹?
お母さん、妹って何?」
そこも!?
いや当たり前なのかな?
「妹ってのは静の事だよ。」
うん、使う前に色々と教えないとね。
指令さえ出しにくそうだしね。
「うん、分かった!
静は忍の妹!」
「そうだね。」
それにしても忍が歳の割には受け答えがやけに幼いような気がするな。
記憶を消した弊害かな?
まぁ、幼い方が育てやすいから良いよね。