第六十八話 私、色々と驚きました。
『紅乙女』の全員に魔力を流し込み終わって静《しずか》の体力テストをやってる。
だって静がどれだけの能力があるか分からないからね!
体力は《物理の極み》で解決されてるからいいや。
まずは力強さだね!
魔力でダンベルを作る。
そうだね重さは1キロからにしてみよう。
「静、これはダンベルっていうんだよ。
静がどれくらいの重さを持ち上げられるか確かめるからダンベルを持ってみて。」
静はうなづいてダンベルを軽々と持ち上げて私の方を見る。
「うん、よく出来ました!
じゃあ、どんどん重くしていくからダンベルを腕を前に伸ばして持っててね。
ダンベルから手を離しちゃダメだよ。」
私はダンベルに魔力を流し込む。
そうだね、1秒で1キロづつ増えるようにしよう。
形状は変えないで質量だけ変える。
「静、ダンベルが重くなったのは分かった?
これから1秒おきに重くなっていくからもし持ち上げられない重さになったら地面に降ろしていいからね。」
『う、ん。』
よし、結果が分かるまで時間がかかりそうだからゴブリン達の様子でも見ようかな?
「《時空間》」
視線を上空のゴブリン達の居る所まで飛ばしてっと。
どれどれ、みんな頑張って避けてるね。
うん?
なんか一匹だけ姿が違う奴がいるね。
なんか成人男性よりも大きくて丸い奴。
もしかしてこいつが魔王かな?
挨拶でもしようかな?
『お疲れ様!
君が魔王かな?』
『魔神様どうして魔神様どうして魔神様どうして魔神様どうして魔神様どうして・・・』
あれ、なんか様子が変だね。
ブツブツと同じ言葉を繰り返し呟いてるし。
周りのゴブリン達は色以外は変わってないみたいだけど。
もしかして狂っちゃったのかな?
えっと《再誕》のデメリットが発揮しちゃったみたいだね。
あ、頭に火の玉が当たって倒れた。
うわー、多分【ファイヤボール】だよね。
頭に当たった途端に頭の半分以上を燃やし尽くすなんて威力が半端ないね。
あれは死んだね。
あれ、《再誕》とは違う生き返り方をした。
顔に火傷を負いながら立ち上がった。
《再誕》なら全快して生き返る筈なんだけどね。
もしかして魔王が【九死一生】を持ってたのかな?
あ、今度は土の塊が当たって死んだ。
うん、全快したから《再誕》が発動したんだね。
狂ったって事は多少は知性があるって証拠だね。
じゃあ、この魔王にあの子を入れちゃおう!
あの子に魔王の心を喰い潰さないように気を付けてもらおう!
ゴブリン達の指揮する存在が欲しかったんだよね。
ゴブリンを生み出した魔王なんだしここで狂っちゃこっちが困るからね!
ボール系のスキルを上からじゃなくて四方八方から発射されるように設定してっと。
それじゃ頑張ってね!
飛ばしていた視線を戻してっと。
お、静はまだ頑張ってるね!
まだまだ平気そうだね!
じゃあ私のステータスも見ようかな。
配下達が成長したみたいだからね!
えっと新しく覚えたスキルは何かあるかな?
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NEW【魔力操作】レベル1
NEW【魔力感知】レベル1
NEW【魔力貯蔵】レベル1
NEW【弓術】レベル1
NEW【狩人の心得】レベル1
NEW【光合成】レベル1
NEW【無垢なる魂】レベル1
NEW【魔性の叫び】レベル1
NEW【解体】レベル1
NEW【舞踏】レベル1
NEW【歌唱】レベル1
NEW【病気耐性】レベル1
NEW【回避】レベル1
NEW【火属性耐性】レベル1
NEW【水属性耐性】レベル1
NEW【土属性耐性】レベル1
NEW【闇属性耐性】レベル1
【ファイヤボール】レベル10
【ウォーターボール】レベル10
【アースボール】レベル10
【ダークボール】レベル10
【拳術】レベル5
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凄い!
色々と増えてるよ!
後はボール系と【拳術】がレベルアップしてる!
ボール系はレベルアップの為にやったから分かるけどなんで【拳術】まであがってんの?
それより配下達が成長し過ぎじゃない!?
スキルって短期間にそれだけ覚えられるものなの!?
あ、静がダンベルを降ろした。
「静、よく頑張ったね!
偉いよ!」
静の頭を抱き締めながらダンベルの重さを測る。
結構時間が経ってたからね!
静は私が思ったよりも怪力かもしれない。
・・・え、1トン!?