第六十七話 私、『紅乙女』を増強しました。
「はい、入れました!
次の人、どうぞ!」
試合の後に静の魔力操作の特訓をするとレガリア師匠に言ったらレガリア師匠達もやってほしいと言われて私の魔力を流し込んでる。
レガリア師匠の一存で『紅乙女』の騎士団員の全員が参加している。
レガリア師匠、漢らしいです。
「やはり、似ているな。」
「はい?
何がですか、レガリア師匠?」
『紅乙女』の騎士団員の人に触れながら魔力を流し込む私の隣でレガリア師匠が呟いた。
「勇者、この力が溢れる感触がな、レベルアップの前兆に良く似てるんだ。」
「レベルアップの前兆、ですか?」
何それ、聞いたことないよ。
あ、でも配下の人がみんなレベルが上がったって言うしもしかして関係があるのかもしれない。
「一度、同じような事を体験した事がある。
これはあたしが竜を倒した時に似ている。
その時も熱と力が溢れてたんだ。
それで教会に行くとレベルが一気に上がったんだぜ。」
うん?
なんで教会に行くの?
レベルアップと関係があるのかな?
あ、鑑定石が常備されてる、とかかな!
でもそれがあの町には300個も保管されてたって事なのかな?
えっと、鑑定石って貴重なんだよね?
あ、鑑定石以外にも鑑定が出来る道具があるかもしれないのか。
「そうなんですか。」
「勇者、あたしは礼拝堂に行く。
もしかしたらこれも重大な事になりそうだ。
おい、勇者から魔力を込められた奴は礼拝堂に来い!」
そう言ってレガリア師匠と数人の騎士団員、魔力を込め終わった人が城の方に歩いて行った。
「シズカちゃん、この剣はこうやって振るんだよ!」
「ねぇ、早く代わってよ!
シズカちゃん、次は槍だからね!」
「弓の試し打ちもやろう。」
うん、静は『紅乙女』の騎士団員のお姉さま方に武器の扱いを教わってる。
『静、武器の扱ってみてどうだった?
戦えそう?』
『う、ん。』
念話で確かめてみたけど大丈夫みたい。
う〜ん、私は静に魔力を流し込んだら足捌きとか回避とかを教えようかな?
『頑張れ、静!』
『う、ん。』