第六十二話 私、町の配下の様子を見ました。
お昼の後は自由時間になった。
私は静を引き連れて自分達の部屋に戻った。
もちろん、静の歯磨きはしたよ。
歯が乳歯か永久歯か分からないからね。
虫歯には気を付けないと。
取り敢えず配下の町の人の様子でも見ようかな。
「静、お母さんと一緒にお出かけしようね。
お母さんが静を眠らせて夢の中に入るからベッドに横になってね。」
「・・・。」
静は疑問も言わずにベッドの上に寝転んでくれた。
いや、夢に入るとか普通はありないんだけどね。
生まれたばかりだから疑問にも思ってないかもしれないね。
後で教えようかな。
「じゃあ、いくよ。
【新月の住人】!」
私はナイトメアに変身して静を眠らせた。
周りから見たら私が一瞬で消えて娘が眠るって光景だよね。
ナイトメアに姿は無いし【新月の住人】はジワジワと変身するんじゃなくて一瞬で変わるしね。
《時空間》で部屋に結界を張って。
静の夢の中に入って。
お、静を発見!
一応、念話で話そう。
『静、お母さん来たよ〜。』
『ど、こ。』
あは、静がキョロキョロと周りを見回してるよ。
『静、今はお母さんの姿は見えないの。
ごめんね。』
『う、ん。』
よし、じゃあ、行こう!
〜 〜 〜 〜 〜
今回は一人づつ眠らせて会った。
なんか静の事を私と勘違いして静に、
『アクマ様、ありがとうございます!!』
なんてどっかの宗教じみた雰囲気だった。
小学生が偶像の宗教なんてヤバいとしか言えないね。
ロリコン教とか少女教とか出てきそう。
静を連れて来たのは失敗だったかも知れないね。
それで夢の中で一人づつステータスを見たんだけど全然分からない。
名前と種族以外何も出なかったからね。
でも配下達の話によるとそれぞれレベルが上がってたみたい。
それでみんな【魔力感知】【魔力操作】【魔力貯蓄】を覚えてた。
【魔力感知】は魔力の動きが分かるスキル。
【魔力操作】は魔力を操れるスキル。
【魔力貯蓄】は魔力の最大値を超えて魔力を保有出来るスキル。
私がこの前、魔力を流したから覚えたスキルなのかな?
ウォンバットさんやヤハルさんも魔力を流したけど覚えるのかな?
でもなんでレベルが上がったのかな?
みんなで魔物でも狩ったのかな?
戦闘民族を配下にしたってのは嫌だね。
それで最後に驚いた事があった。
赤と青と茶の三色の長髪の女の子が居た。
その子は薄緑の肌をしてた。
後は何処にでも居そうな胸が異常に大きい女の子だった。
くそ、お前は牛かよ。
しかも裸でさ、その肉を私に見せつけてんのかよ!
削ぐぞ、その肉。
その肉を私にも寄越せよ。
まぁ、個人的な怨嗟は置いておくとして。
配下にエルフが居たよ。