第五十九話 私、エルフについて知りました。
うん、本日も晴天なり!
隣でまだ寝ている静の頭を撫でながら今日の事を考える。
朝はヤハルさんとウォンバットさんと勉強をするだろうけど昼は何をしようかな?
そろそろパンとスープのご飯も飽きてきたし料理をしてみようかな。
あ、静が起きた。
「静、今日はお母さんがご飯を作ってみせるからね。」
〜 〜 〜 〜 〜
今日はヤハルさんだけだった。
ウォンバットさんは魔力操作が出来るようになるまで自室から出てこないそうだ。
なんというか、マイペースな人だね。
それでコペル君だけが来ていた。
ウォンバットさんから静と友達になりなさいと言われたそうだ。
う〜ん、まぁ、私の配下だからコペル君なら友達にも成れるよね。
念話で会話出来るからさ。
今日はエルフという種族についてヤハルさんから教えてもらった。
この世界のエルフはなんと植物から生まれてくるそうだ。
だから雌雄がない。
見た目は生まれてくる植物によって違うらしい。
生まれた植物と同じ色で人型。
決して美男美女の種族では無いらしい。
体の一部に生まれた植物と同じ種類の物が生えている。
中にはその特徴に似たスキルを持って生まれるエルフも居るらしい。
エルフは色んな所の植物から生まれてくるらしい。
だからエルフは国を持たない。
でもエルフは総じて女神メカルーネの眷属、生産者ロネの加護を生まれつき持っている。
その中でも一際強い加護を持って生まれたエルフを長として扱われる。
エルフの長が他のエルフを纏めてある森に連れて行く。
それはこちらにも利があるものなんだって。
エルフは総じて何もしない。
生まれた場所から自ら動こうとしない。
畑や森の中で立ち尽くしているエルフが良く見かけられるらしい。
だけど総じて魔力が高く敵対者には容赦が無いらしい。
生まれてきた植物と同じ種類の植物を傷付けた物に対して敵意を抱くらしい。
そしてその高い魔力を声に乗せて敵対者を襲うらしい。
だから農家がエルフに襲われるなんて事もあるから地域によっては害獣扱いなんだそうだ。
作物を育て刈り取る農家にとってはエルフは災害以外の何者でもないね。
でもエルフが死ぬとその辺りに生産者ロネに呪われ数年は何も実らない土地になってしまうらしい。
うん、厄介極まりないね。
森の民っていうイメージがどんどん崩れていくよ。
魔王時代の世界にはエルフは居なかったから楽しみにしてたのにね。
だからエルフの長にある森に連れて行ってもらうのは厄介者を引き取ってもらう意味で利があるみたいだね。
ちなみにエルフが近くに居ると植物の育ちが良くなるらしいからエルフは災害でもあるし恵みにもなるみたい。
農家にとっては複雑だよね。