第五十八話 私、魔神と呼ばれました。
ここはどこ?
周りには子分のゴブリン達が居る。
でもここは森じゃない。
ダニーは森に隠れていたのに。
周りは子分のゴブリン以外は何も無い。
上には月があって下には白いモヤがある。
でもそのモヤとの間に何かがあってダニー達は落ちない。
何かは見えない。
でもダニーの足が当たってるから何かあるのは分かる。
ここは寒くも暑くもない。
森も良かったけどここもいいかも知れない。
『やぁ、諸君!
私は君達の主だよ!
とりあえず君達を鍛えるからね!
生き残ってね!』
!?
だ、だれ!?
ダニーの主?
もしかして魔神様!?
初めて魔神様に声を掛けられた!!
「ギグィーー!」
わ!
上から火の玉が落ちてきた。
近くに居た子分のゴブリンの頭にに当たって倒れた。
他にも土の玉、黒い玉、水の玉が落ちてきて子分のゴブリンに当たる。
どうして?
魔神様、子分のゴブリンはダニーの子分なのになんで攻撃するの?
分からない、分からないよ。
ダニーにも火の玉や土の玉が当たる。
避けても避けられないほどたくさん落ちてきた。
「グギャ!」
「ギュィィィイ!」
「ゴボブボォ!」
もう何体も子分のゴブリンが死んだ。
潰れて、焼けて、溺れて。
でも当たった後に何も無かったかのように無傷になる。
分からない。
怖い、怖いよ。
魔神様、ダニー達に何を求めてるの!?
痛い、熱い、苦しい!
逃げてもいつの間にか進めなくなる。
下と同じように何かがあってその先には行けない。
火の玉は当たるとそのまま燃え上がる。
少しでも触れた子分のゴブリンが火達磨になって他のゴブリンにも燃え移す。
火達磨になって倒れた子分のゴブリンはしばらく経つと火が消えて火傷が無い子分のゴブリンが出てくる。
水の玉は当たると動きが鈍る。
他の玉が避けられないし顔に当たるとしばらく落ちない。
顔だけが水に覆われて息が出来なくて倒れるけどしばらく経つと水も消えて子分のゴブリンも呼吸をしていた。
土の玉は重いから当たると怪我をする。
頭に当たると頭が砕けるほど重い。
落ちた後もその場に残り続けるから足に引っかかって転んでしまう。
転んだら他の玉を避けられない。
黒い玉は分からない。
当たっても何もならない。
黒い玉は危険じゃない。
ダニーも死んだ。
でもスキルのおかげで生き返る。
でもそれももうダメ。
最後の一回を使ったから。
ダニーは必死に避ける。
死にたくない、死にたくない、死にたくない
死にたくない、死にたくない、死にたくない
死にたくない、死にたくない!!
あ。
ダニーはまた生き返った。
分からない。
スキルは使い切った筈なのに!
でも痛い、熱い、苦しい!!
今までで一番苦しい!!
なんで、なんで、なんで!!
アァァァアァァァアァァァァアァァァァアァァァァアァァァ!!!!