第五十六話 私、属性について教えてもらいました。
「なんとも不思議な感覚である。
何かが込み上げてくるような渦巻いているような感じだ。」
ウォンバットさんがそう呟く。
うん、拒否反応は無いみたいだね。
「ウォンバットさん、その感覚が魔力が動いている感覚です。
そのうち私の魔力も霧散しますのでその感覚も消えます。
その感覚を自分で出来るようになってください。
自力で動かせるようになったら魔力操作が出来るようになった事になりますよ。」
「ふむ、少し効果を知りたいな。」
「それは無理です。
今は私の魔力がウォンバットさんの中で動いているだけで身体強化もスキルに上乗せする事も出来ませんよ。」
今は材料を移動させてるだけ。
何も加工されてないから材料のまま。
「それは残念だ。
早く我の力で動かせるようにならねばな。
ではこの世界の理を説明するとしよう。」
ようやく始まった。
いよいよ、この世界の魔法なスキルが分かるんだね!
「まずはこの魔石に触れるがいい。」
ウォンバットさんが懐から平べったくて丸い黒い石を出した。
「この魔石はカルメンの魔石でな。
触れた者の使える属性によって色が変わるという特性を持つ魔物の魔石でその能力を魔石も受け継いでいる。」
へぇー、そんな魔物が居るんだ。
触れた相手によって色が変わる魔物なんて不思議だね。
「これで君の使える属性が分かるのだよ。
因みに本来は透明だ。
黒いのは我の使える属性に反応しているからだ。」
そう言ってウォンバットさんが魔石をテーブルの上に置くとガラスみたいに透明になった。
「では触りますね。」
私はどんな色になるんだろ?
「うむ、触りたまえ。」
そのガラスみたいな魔石に指を置いてみる。
すると色が変わった。
赤や青、紫や茶、黒や白などのまだら模様になった。
原色のまだらって綺麗とは言い難いね。
「まだらですね。」
「ほぅほぅほぅ!
複数の属性を使えるのか!?
君は才能がある!」
「そ、そうですか?」
「うむ、普通は使える属性は一つだけだ。
しかし君は複数の少なくとも6種類の属性を使える人材、人よりも多くの魔法を操れるだろう。
うむ、素晴らしいぞ!」
流石は私、元魔王なだけあって魔法の才能が有るんだね!
「ふむ、君は火、水、毒、土、闇、光が使えるようだ。
他にも使えるかもしれんな。」
「それは何故ですか?」
「うむ、これだけの色があるならば魔石が反応しきれなかった属性もあるやも知れん!
ここまで多くの属性が出たのは初めてだ。
そういう事も考えられる。」
「そうなんですか。
他にどんな属性があるんですか?」
「そうだな。
基本属性は六つある。
火、水、風、土、闇、光だ。
そしてその六つの属性を応用したり掛け合わせて使える上位属性がある。
有名なものであれば炎、氷であろう。
他にも特殊属性がある。
君の使える毒や鑑定、呪いや祝福など基本属性に関係の無い属性もある。」
この世界は多くの属性があるって事だね。
「角。」
「あぁ、負けました!」
私がウォンバットさんと魔法の勉強をしている間に静とコペル君、そしてヤハルさんがオセロに夢中になって遊んでました。
ちらと見るとヤハルさんがコペル君に圧勝してました。
一色に染めるなんてエゲツないよ。