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私、勇者として召喚されました  作者: 乙女の涙
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第五十四話 私、ウォンバットさんの息子に会いました。

『お父さんには何も言ってません!』


「どうだい、我に似ているだろう?

この子が我の息子のコペルだ。」


あんたがテイマーかよ!

コペル君も日焼けした普通の男の子みたいに変わってるし。

もしかして【新月の住人】で姿を変えてるのかな?


念話が聞こえたからそっくりさんって訳じゃないだろうしね。

とりあえず落ち着かせよう。

ウォンバットさんの後ろに隠れようとしてるし、まだ私の事が怖いかもしれない。

仮に誘拐しちゃったからね。

アフターケアは大切です。


『コペル君、久し振り。

君のお父さんが連れてきた事は知ってるから落ち着いて良いよ。

君は悪くないから。』


「ウォンバット様、そちらの方が?」


「うむ、血は繋がってはいない。

しかし愛情を注いだ我の養子じゃ!」


「そ、そうでしたか。」


ヤハルさん、コペル君の事は知らなかったんだね。

この場面だけ見たらドラキュラと連れ去られる子供にしか見えないからね。


「さて、コペルよ。

あそこに居るお嬢さんが勇者だ。

そしてその近くに居る小さいお嬢さんが勇者の娘さんだぞ。

挨拶をするといい。」


『初対面の振りをしてね、コペル君!』


『は、はい!』


「こ、こんにちは!

わたしはコペルです!

どうぞ、宜しくお願いします!」


「ふふ、こちらこそ宜しく。

私は勇者の(しずく)、この子は(しずか)と言うの。」


よし完璧!

これで知り合いだとは思われまい!


「うまく挨拶が出来たな、偉いぞ、コペル!

我は勇者に魔法を教えるからコペルは勇者の娘さんと遊びなさい。

勇者もそれで良いか?

我の教えを聞くには勇者の娘さんは幼いようだからな。

退屈な時間を過ごすよりは有意義だぞ?」


う〜ん、そう言われたらね。

静も産まれたばかりだから魔法の授業は退屈なものかもしれない。

うん、ウォンバットさんから教えてもらったものを私が分かりやすく教えればいいし、私の復習にもなるね!


「はい、いいですよ。」


『コペル君、静、聞こえる?』


『はい、聞こえます。』


『う、ん。』


『だ、誰なの!?

今、もう一人の声が!』


『あー、驚かないで。

コペル君、静も念話で話せるからね。』


『そ、そうなんだ。』


『そうなの。

でさ、面白い遊びを教えてあげよっか?

私の世界での遊びなんだけどさ。』


『僕、遊びはあまり知らないから教えて!』


『や、る。』


『オーケー。

ちょっと待っててね。』


二人で遊ぶならちゃんとした遊び道具がいるよね!


「では私が室内で遊べる玩具を出します。」


「玩具か。

何かあるのか?」


「はい、これです。」


二人でするならこれでいいよね。

オセロで。

魔力で作ってっと。


「は?」


「え、なんで?」


「し、シズク様!?

どこからそんな物を!?」


惚けたウォンバットさん、オセロを見て不思議そうに見てるコペル君、オセロをどこから出したと聞いて慌てるヤハルさん。


いやいや、どうしたの?

魔力でオセロを作っただけだよ?

あ、オセロを初めて見たからかな?



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