第五十三話 私、魔本を読みました。
あるところ に おとこのひと と
おんなのひと が いました。
ふたり は あいしあって いました。
ふたり の あいだ に こども が
できました。
こども は おんなのこ でした。
おんなのこ は うまれて すぐに
びょうき に なりました。
おとこのひと は むら に すんでいる
けんじゃ に むすめ の びょうき を
なおして ほしい と たのみました。
むら の けんじゃ は おんなのこ の
びょうき を なおしました。
でも かんぜん には なおせません
でした。
おんなのこ は ゆめ から
さめなくなりました。
おとこのひと と おんなのひと は
おんなのこ の ため に いい ゆめ が
みれる もの を つくりました。
おんなのこ は ゆめ の なか で
いろいろ な こと を しました。
おんなのこ は ゆめ の なか で
いき つづけました。
ー ー ー ー ー
何これ?
内容が変だね。
全部ひらがなで書いてあるし。
人によって内容が変わるってヤハルさんが言ってたけどなんで私にはこの内容なの?
大体どうやって話が決まってるんだろう?
魔法の本らしく魔力とかかな?
『静、今度はお母さんの算数の勉強をしよっか。』
『は、い。』
静の言葉についての勉強も進んだ。
聞き取りは大丈夫だし簡単な返事も出来るようになった。
・・・念話限定だけどね。
言葉の概念って教えるのは難しかったよ。
バン!
「待たせたな!
我が息子を連れてきたぞ!」
ウォンバットさんが帰ってきた。
勢い良くドアを開けたからヤハルさんが睨んでた。
あれ、ウォンバットさんの横に居る子ってコペル君じゃない?




