第四十七話 私、国王に娘の事を打ち明けました。
「まずは私の娘を紹介します。
この子は昨日、私が産んだ娘の静です。」
「確かに勇者サオトメに似ておるな。
しかし召喚した時は妊娠している様子は無かっただろう?」
国王陛下が訝しげに私に言う。
顔色のせいか怨み節を言ってる土左衛門にしか見えないね。
「はい、その時は妊娠していません。」
「どう言う事だ?」
「私の種族は特殊でして、条件を満たせば子を産むのです。
そして、昨日の夜に条件を満たしたので産みました。」
条件ってもスキルを使えば新しい子供が出来そうだけど。
「条件、か。
ふむ、世界が変われば其方の様な不思議な者もおるのだろう。
それで相手は誰だ?」
「私の種族は特殊でして相手はおりません。
女性だけでも子を産めますから。」
まぁ、特殊中の特殊だね。
だって魔王時代から『異世界人』って表示だからね。
そして種族が特殊だけど静とは全くの無関係だけとね。
【眷属創造】があれば誰でも同じ事は出来そうだね。
「それで今後はどうするのだ?」
まぁ、気になるよね。
召喚した勇者が魔神を倒す前に子供を産んだなんて不安の一言だよね。
「子育てをしながら『成人の儀』を待ちます。」
あ、国王陛下の顔が険しくなった。
「勿論、この世界に呼ばれた理由は覚えてます。
この世界の常識を学びもします。
しかし、戦闘については少々変えさせて頂きたいのです。」
「戦闘訓練を辞めたいと?」
「いえいえ、ここからは私の能力が関わるからです。」
さて、静の事が些細な事に思えるぐらいの虚勢を張らせていただきますか!