第四話 私、謁見の間を後にしました。
誰が言ったのか分からないけど、どうやら私のレベルが0まで下がっているらしい。
ちなみに魔王時代の世界ではレベルのカンストは無く、私のレベルは5桁を超えました。
魔王の権限で何日も配下の者と戦ってレベリングした成果です。
元魔王時代の勇者なんかビンタ一発で倒したからね!!
そのレベルが0になってるとは軽く絶望感を味わいました。
「勇者サオトメよ、今日はもう下がって休むが良い。
色々と考えたい事もあるだろう。
ダスパ、勇者サオトメに部屋と食事を手配せよ。」
「仰せのままに。」
音も無く近寄ってくる忍者執事。
多分、私に聞かれたくない話をするのだろうね。
私も色々と調べたいから都合がいいね。
「では先に失礼します。」
私はベルベゴートさんと別れて忍者執事と謁見の間から出ました。
元気な騎士の方にちらっと見られたけど何も言わなかった。
出る時は言わないらしい。
「すいません、ダスパさんと呼んでも宜しいですか?」
「はい、いいですよ。」
うん、穏和なお爺ちゃんとしか思えないね!
優しそうな笑顔で答えてくれた。
その顔で暗器を投げてくる想像をしてしまう私が憎いね。
でも服の下にジャラジャラと入れてそう。
もしくは格闘技が強そう。
関節技とか投げ技とか。
もしかしたら毒使いかな?
さ、最高だよ、ダスパさん!
「ではダスパさん部屋の案内をお願いします。」
「はい、こちらです。」
細身のお爺さんがガタイの良い大男に圧勝したり柄の悪い男達を主人の為にバッタバッタと倒すとかそんな状況がぴったりだね。
惜しむらくは片眼鏡、モノクルって言ったっけ、それを付けてない事だね。
ダスパさん、いいヒゲの形してるから似合うと思んだけどなぁ。