第三十七話 私、森から帰ってきました。
結局、森の中にはゴブリンは居なかった。
私とレガリア師匠は最奥の方にある崖まで木々を折り倒しながら直進してたから気配とかバッシバシ出してたけどゴブリンは出てこなかった。
後、断崖絶壁としか言えない崖にもきのこや野草が有ったので幾つか採取した。
近くの木のウロから甘い匂いもしてて覗いてみたら液体が入ってた。
触ってみたら粘性のある液体で芳しい香りで樹液かなって思って【浄化】を掛けてから舐めてみたらほんのり甘かった。
メープルシロップみたいなものかな?
他と同じような種類の木みたいだからこの森の木の全てから取れるかもしれないね!
煮詰めたらもっと甘く出来そうだし来て良かったぁ。
毒が無いといいけど。
レガリア師匠は崖を見ながら何か考えていたから【浄化】の光は気づいてないね。
「おい、勇者!」
「はい!!」
き、気づかれてた!?
「この森の異常事態だから国王陛下報告しに行くぞ!
一度城に戻るからこっちに来い!!」
「分かりました!
《時空間》、今行きます、レガリア師匠!」
急いで樹液を《時空間》でウロごと取って亜空間に入れる。
お城に帰ってから色々試してみよう。
レガリア師匠まで駆け寄って勢い良く跳んでレガリア師匠の首に抱きつく。
レガリア師匠に直に触ってないと【テレポート】で一緒に帰れない。
しかもレガリア師匠は顔以外全部鎧に包まれてるから仕方なくやってる。
ちなみに森に来る時は肩車をしてもらった。
女子高生だけど肩車されると楽しかった。
〜 〜 〜 〜 〜
お城の訓練所に【テレポート】で移動すると他の騎士の方が全員揃って並んでいました。
先に帰ってたんですか。
私とレガリア師匠は最奥まで行ってたけど他の騎士は最初のうちに異変に気付いて戻ってきてたのかな?
「勇者、あたしは今回の森の事をあいつらの話を纏めて上に報告して来る。
勇者はここで帰っていいぞ。」
「分かりました。
ではお疲れ様でした!」
私は革の鎧や木の棒を倉庫に直した。
「【浄化】。」
森の中を歩いて汗とかで汚れたからね!
いつでも綺麗にしておくのは常識だよね!