第三十四話 私、配下のゴブリンを思い出しました。
「おい、勇者、今日は森に行くぞ!」
森ってどこの?
森林浴って訳じゃないだろうし。
多分だけど魔物を狩るんだろうな。
うん、魔王時代の世界でも森に行くって言ったら魔物を狩るとか特定の植物を採りに行くぐらいしかなかったし。
「レガリア師匠、森に行くって事は魔物を倒しに行くんですか?」
「そうだ!
試合を見た限り森に行っても大丈夫だろうと判断した!
そろそろゴブリン狩りに行かねばならないからついでに勇者に魔物との実戦を見たいからな。」
ゴブリン狩り。
この世界にもゴブリンっているんだね。
魔王時代の世界でもゴブリンは居たよ。
初めての配下がゴブリンだからね。
そうそう、魔王時代の世界では魔物はある程度の能力になると進化するのが居たよ。
進化は種族が一つ上のものに上がる。
だから基礎能力が軒並み上昇する。
レベルや特定の道具、行動なんかの進化条件を満たせば進化できたからね。
そして進化したら今までに覚えられなかったスキルを覚えたりするから進化できる魔物は殆ど進化させた。
ゴブリンも進化できる魔物だった。
ただのゴブリンから色々なゴブリンを育てたからね。
ゴブリン種のみが暮らすゴブリンの国が出来るほどのゴブリンを繁殖させながら進化させていったからね。
ゴブリン種だけでも1000種の配下が居たからね。
普通のゴブリンは雄雌がちゃんといて、赤黒い肌に身長が50㎝ぐらいの人型の魔物。
基礎能力は低いけど繁殖能力が高くてしかも成長が早いからゴブリンが一匹いれば数十匹は居ると考えられてたからね。
あぁ、懐かしいなぁ。
無闇矢鱈と私との子供を作ろうと色々な手段を取ってたゴブリンが居たよ。
あいつ、ゴブリンの神になったのも私と子供を作りたかったが為にだったらしいね。
そんな事を言う度に生殖器を潰したんだけどなぁ。
ま、私の配下である限り潰しても私の魔力で元に戻るけど。
この世界のゴブリンはどんな姿なのかな。
スキルは持ってるのかな?
進化はするのかな?
あぁ、早く森に行って配下にしたいな。
「レガリア師匠、ゴブリン狩りに早く行きましょう!」
「勇者もやる気だな!
ゴブリンを倒したたら魔石が取れるからこの袋に入れろ。」
レガリア師匠は私に茶色の袋を渡した。
これは何?
「それはアイテムバックだ。
見た目よりも多く荷物が入るぞ!
ゴブリンを倒したら魔石や稀にスキルオーブを落とすからな!
倒した分だけその中に入れろ。」
へぇー。
この世界は魔物を倒したらドロップアイテムがあるんだ。
ゲームっぽいね!!
魔王時代の世界では魔物を倒したらそのまま死体が残ったらしいけど、こっちの世界ではどうなんだろ?
うん?
なんでらしいって言ってるかって?
そんなの会う魔物全てを配下にしたからに決まってるじゃん!!
配下を増やす事が優先だったからね!!
仕方無いよね!!
でも今回はレガリア師匠達と一緒に行く。
レガリア師匠達の前で配下にする為に《魔王の契約》を使うのは難しいかもしれない。
でも配下は欲しい。
隠れてゴブリンを配下にしようかな?
《時空間》で見つけたゴブリンを亜空間に飛ばしてそれから配下にしよう!!
それならゴブリンを探す時も《時空間》を使おうかな。
そう言えばスキルオーブって何?
「ゴブリンから取れる魔石は小さな奴だが魔道具の燃料になる。
稀に落とすスキルオーブはそのゴブリンが持ってるスキルが詰まったオーブだ。
使えばその中のスキルを覚えられるから貴重だぞ?
ゴブリンが覚えられるスキルなんざ、たかが知れてるがな。」
スキルオーブ凄ぇ!!
配下にしなくてもスキルは手に入れられるんだ。
でも配下にした方が確実だしその後の成長して覚えたスキルも手に入るからなぁ。
配下にするの一択だね!