第二百七十四話 私、最後の手段を決行しました。
最終手段。
それは名付けて、『中身を移しちゃおう大作戦』!
器である、この世界が壊れそうになっているのなら。
他の世界に作った亜空間に中身を移しちゃおうって作戦です。
避難の方法は安全性を考慮しないなら可能なんだよね。
配下として魔力の繋がりが無いから抵抗される恐れのある作戦。
これを決行しようと決めた。
抵抗されて転移先がバラバラになったら怖いから手間がいるけど抵抗されそうな人は最初の段階で除こう。
まぁ、抵抗されたら個別で石化させて運ぶから大丈夫でしょ。
世界を隔てて亜空間を大きくしよう。
何処の亜空間を広げようかな?
う〜ん、スキルが同じように使える世界が都合が良さそうだから傀儡の居る世界の亜空間を広げよう。
ぐぐ、世界を隔てて亜空間を広げるって難しいね。
例えるなら遠隔操作で陶芸をしているような感じだね。
遠隔操作はゲームで慣れているから大丈夫だけどね!
えっと、この世界がスッポリ入るくらい広げてよう。
その間に《時空間》で転移させる範囲を広げていく。
まぁ、【世界眼】で世界を範囲にしたから一瞬なんだけどね。
はは、底無しの魔力があって良かった。
軽く星を壊せるぐらいの魔力が消費されているのが分かる。
まぁ、世界ごと転移させるならこの消費量は当たり前かな。
世界の崩壊を目の前に見ながらのこの作業は慌てそうだ。
うん、焦ってはいけない。
失敗を恐れるな、私。
転移に必要な魔力を多めに込める。
抵抗される恐れを低くする為にね。
とりあえず、10倍の魔力を込めておこうかな。
抵抗されそうな人を把握しよう。
・・・5人か。
その人達は私の配下にしよう。
場所は特定済み。
ふふ、元魔王である私の標的になったんだから、もう逃げられないよ。
この世界に作った亜空間も傀儡の居る世界の亜空間に入れよう。
ならもう少し時間が掛かりそうだね。
抵抗が出来る人の所が見えるように空間を繋げて【廃石の邪眼】を使用。
・・・石化出来たのは3人だけか。
残りの2人は周囲の空間を固めて捉えた。
よし、5人とも捕獲。
触れて《魔王の契約》を使おう。
これで避難の準備は出来たね。
亜空間を広げる事に集中しよう。
目の前の世界の崩壊がゆっくりと進んでいくね。
もう、お城を一つ飲み込めるぐらいまで大きくなっちゃった。
よし、亜空間を広げ終わった。
それじゃ、転移までカウントダウン!3、2、1、転移!
世界から何もかもを消し去った。