第二百七十三話 私、さらなる危機に直面しました。
一瞬の閃光と共に爆風に煽られ揉みくちゃにされた。
並みの三半規管の人じゃ酔ちゃうぐらい揉みくちゃにされたよ。
それよりも、爆風による風圧で圧死しそうだけど。
酸素も薄い、というか無い。
爆発によって真空になったようだよ。
まぁ、私は《物理の極み》で息をしなくても生きられるけどね。
え、体験してみたい?
う〜ん、台風の中にスカイダイビングをしたような感じかな。
まさにデンジャラスゲーム。
命知らずの遊びだね。
まぁ、【無敵】を持っている私はスキルによるダメージを無効化出来るから問題無し。
爆風が収まって周囲を確認すると環境が変わった。
吹雪と雹が振りまかれていた周囲は綺麗な空が晴れ渡っていた。
白い大地とかは変わってないけどね。
まぁ、空の様子からしてもう大分時間が掛かっちゃったみたいだね。
あとはひとっ飛びでノーセブス帝国まで飛んで行こうっと。
それにしてもあれだけ居た遊戯兵も一瞬で消えた事にも驚きだね。
破片でもあると思ったけどそれも見つからないし。
爆風で飛ばされた訳でも無いから爆発で消滅でもしたのかな。
うん、【連鎖爆弾】って凄いね。
物理で空間をも壊してしまう威力って中々出来ない、いや、あり得ない行為なんだけどね。
計画を実行した私でも驚きの結果だよ。
うん、あとは自害して狂気の力に頼るしか無かったから良かった、良かった。
それにしても、あの空間は誰が用意したのかな。
空に作られてたから対空の準備だとは思うんだけど。
空を飛ぶ物と言えば鳥の魔物とか、あとはドラゴンかな?
うん、あんな空間に閉じ込められたら出られなくて倒れちゃうね。
もし、閉じ込められたのが私じゃ無かったら出られなかったかもね。
発動したきっかけも分からなかったから油断出来ない。
誰が何の為にか。
はい!?
目の前が渦巻き始めた!?
・・・あれって『次元の歪み』じゃない?
なんか目の前で空間がグニャリとねじ曲がり始めたからなんだと思ったよ。
ほぉ〜、『次元の歪み』が生まれてくる所を見れるなんて珍しいなぁ。
・・・あれ?
なんだか、徐々に大きくなってる?
なんで?
いや、なんか『次元の歪み』じゃないっぽいね。
中心が崩れて消えていくような・・・。
なんかブラックホールに似てるような光景だよ。
もしかして、【連鎖爆弾】の影響が漏れちゃってた?
世界の崩壊が始まっちゃったかな?
あー、うん、しくじった。
ヤバイ、急がなくちゃ!
観光なんてしてられない。
私は最後の手段に出た。