第二百六十一話 私、乱戦を観戦しました。
おぉ、怪獣戦争が目の前で起こってる。
山と見紛う程の巨体の狼の魔王、ディアトロフが亜空間内を縦横無尽に駆ける。
巨体で動くだけで攻撃になるからしね。
時折、遠吠えをしてるのは【死の声】や【封魔の遠吠え】を使っているのかな。
筋肉達磨と化したゴブリンの魔王、ダニエルも凄い。
自分の身体の倍以上に膨れ上がった黄色い猿の魔王、ヤムキーと互角に競り合ってる。
ダニエルは私が最初に配下にしたからかレベルが凄く上がってる。
【巨大化】を全身に使ってるヤムキーと互角ってのはそれだけ能力値が高くなってるって事だろうね。
あとは、【地獄の悪鬼】の効果でヤムキーの能力値を下げてるのかも。
ヤムキーも負けていない。
あちらこちらで展開されている【喧嘩上等】でアクティブスキルを使わせないように妨害してる。
あと、【影分身】で他の魔王を襲わせてるけど、それは失敗してるかな。
ディアトロフが踏み潰したり不浄蟲の魔王であり、私の娘、純が睨みつけて石化や触れて腐らせたりしてるからね。
ありゃ、そう言えば純があまり暴れてないね?
なんか、急いで逃げたりしてる。
あ、【退化】でレベルが下がってるからかな。
それとも、本来は単体で戦うんじゃ無くて不浄蟲達と戦うのかな。
一応、血で亜空間が汚れたり、【土地汚染】で亜空間を穢したりしてるから【不浄なる心身】で強くなってるはずなんだけどね。
最後に双子だけど。
うん、次元が違うね。
一瞬にしてディアトロフを消したり、ダニエルの魔石を身体の外に出したり、石化したヤムキーの分身が急激に増えたり石化が突然、大剣になって近くの魔王に突き刺さったり。
しかも、双子は傷一つ負ってないからね。
魔王共々はボロボロなんだけどね。
でも、驚いた事に誰一人、狂ってない。
う〜ん、確かに《再誕》が発動した気配があったんだけどね。
《時空間》で見てみようかな。
・・・あ、そうなんだ。
誰かのスキルの効果かな。
狂気に堕ちた者を正気に戻してた。
うん、新しいスキルも幾つか見れたから期待しようかな。
「みんなー、お疲れー。
乱戦を終えてー。」
《魔王の契約》による命令だからこんな言葉でみんなの動きが止まる。
よし、とりあえずはみんなの回復でもしてあげよう。
命懸けの乱戦なら労うぐらいは私だってするさ。