第二百五十九話 私、カード作戦が成功しました。
「おかーさん!
これ見て!
キラキラカードが当たったの!」
『こっちもみて。』
孤児院に静と忍を迎えに行ったら二人してラメ入りのカードを見せてきた。
そして、そのカードのイラストは動いていた。
「わぁー、凄いねー。」
まぁ、私がイラストを動くように細工したんだけどね。
朝に二人に渡したカード製造機はなんとカードの絵がヌルヌルと動く仕組みなのですよ。
はい、魔力のおかげです。
色彩が変わって絵が動くように見えるようにしたんだよ。
しかも、イラストは意思があるかのように動くからね。
それも、ラメ入りのカードは追加の効果もある。
なんと、カードの中の時間が進む。
だから、寝る、食事など生活の様子も見れちゃう。
うん、大きな友達も楽しめるカードですよ。
「このカードからね!
このぐらいの大きさでこの子が出てきたんだよ!」
忍が手を動かしてその大きさを伝えようとする。
大体、忍の顔よりも大きいぐらいかな。
『これだけ。』
静のカードは親指と人指し指で大きさを教えてくれた。
え、何を言っているか分からないって?
ふふん、これはカードゲームで対戦するとそのイラストのモンスターが魔力を固めて出てくるように設定してるのです!
あぁ、夢にまで見たカードの具現化。
私も地球で再現されたら飛びつく事は必定だったと思う。
魔法生物って言うのかな。
私の魔力から生み出されているから、本当はゲームの対戦以外でも具現化出来るんだよね。
まぁ、持ち主の危機的状況になったら発動するって感じに設定してるから安全だしね。
あと、残念ながら、魔法生物は配下に出来ない。
うん、当然の話なんだよね。
自分の手を切り離して調教する馬鹿は居ないでしょ。
魔法生物ってのは元を詰めれば私の一部なんだよ。
これがスキルで生み出せた存在なら配下に加えられるってのは分かってんだけどね。
傀儡や『クッキングドール』『クッキーゴーレム』が良い例だね。
元は人形やクッキーだったからね。
私の魔力を得て自我を得たようなものだしね。
あ、そうそう。
カード製造機はその人の魔力を1吸って発動するようにしたよ。
まぁ、魔力が代金の代わりだね。
魔力が豊富な人がカードを多く集められます。
あ、魔力で判断してるからダブりカードは発生しないようにしたよ。
うん、私は優しい。
それと、ラメ入りのカードって1000分の1の確率で発生するように設定しておいた。
レア物だからね。
だけど、二人とも手に入れられたのは凄いねー。
まぁ、高レベルによる豊富な魔力を使って手に入れたのかもしれないけどね。
いや、二人には《魔法の極み》を渡してるから無制限に回せる。
あれ、バランスが崩れた?
まぁ、連続して同じ人が製造機を使えないように設定したから大丈夫だよね。
うん、生理中の忍が動き過ぎないように作ったけど、成功したみたいだね。
「それじゃ、二人とも。
お母さんからプレゼントとしてこのカードアルバムをあげよう。
集めたカードをそのアルバムの中に入れれば持ち運びが便利だよ。」
「本当!?
ありがとう!」
『うん。』
うんうん、カードを集めるならそれを入れる容器が欲しくなるよね。
コレクター魂に火を付けちゃうかもしれないけどね。
え、他の子にもプレゼントしてあげて?
もぅ、仕方ないなぁ〜。