第二百五十六話 私、コンコロの魔王と戯れました。
まずは【虚無の門】の効果を調べないと話にならないね。
このまま使っても良いけど、でも、私はレベル最大まで上げてから使いたい。
なんだろうね、この感覚。
思えばゲームでもレベルを最大限上げてから無双する事にハマってた時もあったっけね。
うん、無双大好き。
ついでに他のコンコロの魔王から得たスキルにも魔力を流そうっと。
ちょいと時間が掛かるからコンコロを転がして遊ぼっと。
うん、私を主人と認識してるのか私の足元で積み重なってるからね。
懐くのが早いね、君達は。
さて、どれどれ、どんな手触りかな。
おぉ、ツルツルしてるね。
まるでむきたてゆで卵みたいにツルッツルだね。
ふ〜む、それほど硬くないね。
黒光りしてたから結構硬いと思ってたけど程良い弾力性があるね。
あまり、強く押したら倒しちゃいそうだから撫でたり突いたりするだけにしておこう。
なんかヒンヤリとした感じもあるね。
ちょっと持ち上げて頬に当ててみる。
あ、気持ち良い。
なんだろうこの感触。
ずっと触っていたいぐらい気持ち良い。
う〜ん、静と忍の肌に勝るとも劣らない程だよ。
気付いたらスキルへの魔力供給は終わってた。
そして私はコンコロに埋もれてた。
うん、なんか、顔だけ出してそれ以外は積み重なったコンコロしか見えないみたいな状況。
いや、全身マッサージを頼んだら気持ち良くって!
コリとか筋肉痛は《物理の極み》でならないけど気持ち良い物は気持ち良い。
さて、【虚無の門】を使おうかな。
確か、スキルレベルが上がれば消費魔力が減るんだっけね。
う〜ん、なるほど。
減ってはいるね。
まだ五千万ちょいの魔力が必要だけどね。
でも、私には関係無い。
どんなにコストが高くても私なら無限の魔力が使えるからね。
それじゃ、傀儡の居る世界に行ける事を祈っておこうかな。
へ、誰にって?
う〜ん、じゃあ、あの子に!
「【虚無の門】」
私の目の前の地面が液状化して泡立ったと思ったらせり上がってきた。
そして液状の土が私と同じ位の高さのある門へと変わっていった。
なんだろうか。
何故か無駄にごつくて豪華な装飾がされた門が出てきたね。
うん、目がチカチカするよ。
この先が別世界に続いているのかな。
保険を幾つかかけてっと。
ふふ、別世界に何があるか分からないからね。
用心に用心を重ねるよ。
それじゃ、レッツゴー!
私は門を開いた。