第二百四十七話 私、悪しき風習と断言しました。
生理を迎えた女性は子を孕むまで毎夜、男と交わる。
度々気絶するヤハルさんからやっと聞き出した、この世界の風習らしい。
一人でも孕めればこの風習を終える事が出来て、女性が成人になったという証になるらしい。
うん、犯罪臭がプンプン臭うね。
本当に嫌な想像通りだよ。
未開の地なら有っても可笑しくは無いけど、これが国まで建てた人達の風習なんだよ。
信じたくないけどね。
私も静を紹介する以前にも相手をあてがう事を検討されてたらしい。
はは、知らない男が私に夜這いして来たら性器を引き摺りだすよ。
そして破滅をばら撒く魔王と化しただろうね。
それにさ、これと似た思想を私は知ってるんだよね。
だから生理を迎えた女の子を孕ます、なんて嫌な予想を立てられた訳なんだけど。
魔王時代の世界に他の世界から神がやって来た事があってね。
その神は人を強引に交わらせ、産まれた子供やその親となった者の魂を奪うつもりで来たらしい。
私を標的の一人にしたから返り討ちで消滅させたけどね。
なんか、私だけは神本人が孕ませようと信者達に生贄として捧げられたからね。
悪魔みたいな神?
大きく区切ったら神も悪魔も似たような 存在だけどね。
私も遊び半分で連れ去られてあげたけど流石に遊びで神の子を産もうとは思わないよ。
ボッコボコにした後、あの子に神格を喰わせたから完全消滅だよ。
この世界は元々、魂を生み出し収穫する為に作られた世界。
その為の『創造神』だったからね。
そしてあの時と似たような風習。
それって魂を生み出す為にこの世界の神が仕組んだものじゃないかな?
この世界の消えた神。
私があの子に神格を喰わせた神。
魂を得る為に人を増やそうとした存在。
さて、問題だよ。
この二つの神が同じ存在だとしたら?
まぁ、考え過ぎかも、しれないけどね。
それにこの風習だって、神が定めた物では無く、何処ぞの馬鹿が考え出した風習が残ってたのかもね。
地球だって食人や屍姦、宗教なら魔女狩り、処女貫通、迷信や差別なら数え切れない程、悪しき風習は有ったし有る。
魔王時代の世界でも種族差別や迷信なんかも有ったし。
まぁ、そんな風習は私が無理矢理にでも止めよう。
主にあの子に記憶の改竄をしてもらってね。
少なくとも私の配下、この国の人達はこの風習を忘れるだろうね。
他の国も、この風習があるのかな?
まぁ、今は私に関係無いや。