第ニ十四話 私、意図せずに町を手に入れました。
396。
何の数字だと思う?
正解は私の配下数でした!
いや〜、ね。
あんな光景を見ちゃったら、つい手を出したくなる私の性格が憎いね!
『ゥヒヒヒイヒヒイヒィ!!』
あの子のスキル使ったからあの子の意識も活性化させちゃって頭の中がうるさいけど後悔はしてないよ。
今回、私がやったのは【新月の住人】と《時空間》、《魔王の契約》そして暗殺されてあの子が覚えたスキル《狂人の祟》の合わせ技なのだ。
【新月の住人】の効果である魔王時代の世界に居た種族に変身したんだ。
【新月の住人】は言ってみれば夜行性、闇の種族に成れるスキルなんだよね。
だから飛行系のスキルを持っていなかったコペル君が闇夜に飛んでいけたんだと思う。
試しにコペル君に闇の精霊って飛べる、あるいは浮遊出来るか配下にだけ使える念話を使って聞いた。
答えは、
『スキルが無いと飛べない』
蝙蝠に変身したから空を飛べたコペル君。
つまり鳥類に変身すれば空を飛べる。
毒蛇に変身すれば毒の牙を得られる。
大型の獣に変身すればその体と重さが手に入る。
ならばドラゴンに変身すればブレスを吐けるようになるのか?
スライムになれば液体の体に成るのか?
答えは出来るし成る。
その種族としてスキル無しでも出来る事は出来るようになる。
そして私が変身したのはナイトメアという夢魔の一種。
相手を眠らせ夢に干渉する悪魔。
姿は無く、夢にしか現れる事が出来ない。
でも一度、夢の世界で現れれば相手を永遠に眠らせたり、洗脳すらも出来る。
そして今、もっとも大事なのは眠らせる事と夢の中に入れる事の二つ。
まずは《時空間》で相手を見つける。
次に【新月の住人】でナイトメアに変身して相手を眠らせる。
最後に夢の中で《魔王の契約》で配下にしました。
え?
これを一人一人やったのかって?
ふふふ、ふはは、あっははは!
ここで出るのが《狂人の祟》なんだよ!
このスキルの効果は相手の身内や深い関係の人とかに対しても他のスキルの効果を発揮するという集団を標的にするスキル!
あの男の子供や親、兄弟、姉妹、あの男が雇った人なんか色々な人を引っくるめて一纏めに配下にしてやりました。
本来ならコペル君の時みたいに配下にされると同時に私の配下専用の亜空間に飛ばされるんだけど今回はそのまま、その場所で眠ってもらってます。
まぁ、今は夜だし朝になったら起きるよ。
なんでかって?
あの男、どっかの領主的な人みたい。
そんな人に関係した人達と言えばそう、町の人も入る訳で。
一夜にして町の住人、全てが行方不明、なんて目立つからね。
うん、やり過ぎちゃったかもって思うよ、私も。
まぁ、《魔王の契約》で全員私の配下になったから町ぐるみで私の好きなように変わっていってもらいますか。
命綱はこっちが握ってる訳だし、絶対命令で逆らえないしね!!