第二百三十七話 私、メカルーネさんの捕獲に成功しました。
メカルーネさんの捕獲、成功しました!
失敗したら後が怖かったから成功して良かったぁ。
主神に刃向かう勇者。
うん、即人類の敵認定が下されるね!
まぁ、国一つ手に入れてるからそうなっても大丈夫と踏んでやったんだけどね。
孤立だけは免れるし。
さて、廃人っぽくなったメカルーネさんに世界の事情を話させるのは私でも酷かなと思ったりしてます。
まぁ、記憶を読み終わったら元気に蠢いてる『創造神』の居る亜空間に送ってあげよう。
元気が出るでしょ。
眷属の皆さんは蟲の国にご案内しよう。
純に報せとかないとね。
最初はあの子をメカルーネさんに入れようかなって思ったけど今の状態じゃ十中八九あの子に神格を喰われて奪われそうだから止めとく。
私もメカルーネさんの神生に止めを刺したい訳じゃないしね。
私もそこまで落ちた外道の鬼じゃないと自負してるよ。
レッツ・リーディング!
・・・ふんふん、なるほど。
やっぱり、メカルーネさんは元々この世界の女神じゃなかったんだ。
召喚された別の世界の天使だった訳か。
それも神格を得た上位天使。
うん、人から見れば上位天使も神様と変わらないね。
その時にはこの世界を治めているはずの神様が居なくなっていたと。
見捨てられた世界って事なのかな?
天使だったメカルーネさんはこの世界の人々を見捨てられなかったみたい。
うん、お人好しだね。
まぁ、天使は善意か正義か狂信の塊みたい存在ばっかだったもんね。
でも、召喚された当時は人を救う為には力不足だった。
それで、メカルーネさんはさらに神格を得る為に行動をしたんだね。
その手段が信仰される事だったんだね。
人の願いを叶えまくって信仰を得て、さらに得た神格で人々の願いを叶える。
でも、それじゃ限界が来るんだよ。
信仰を集めるだけじゃ、一定の、人の数に依存するからね。
この世界には魔王と魔物という人を減らす存在が作られていたからね。
そう、魔王は元々この世界の種族の一つだったらしい。
いや、人の魂を刈り取る為の道具かな?
そして、気付いたんだろうね。
この世界は元々、魂を生産する為だけに作られた物とメカルーネさんは推測したみたい。
結構、メカルーネさんもこの世界を調べたみたいだね。
だからこそ、思い付いたんだね。
魔王や魔物はこの世界を作った神が直接生み出した存在。
なら、それを取り込めば新しく神格を得られるはずだと。
メカルーネさんの目論見は正解だった。
魔物を人が倒せば少しだけ、神格の元となる物が周囲に漂った。
メカルーネさんは、レベルとステータスという報酬とスキルという対抗手段を創り出して人に与えた。
時には神格を渡して魔王を討ち取らせた事もしたようだ。
でも、それは、世界の崩壊の一歩となったんだ。
魔王の、魔物の材料は世界を維持する力だった。
ゴミをリサイクルしたと思ったら国宝を解体してリサイクルしてたって訳だ。
焦ったメカルーネさんは更に神格を上げる為の方法を探した。
神格を上げれば世界の維持する為の力を生み出せると思ったからだね。
そして、目を付けたのが世界の維持する力を魔王へと変える装置、即ち『創造神』の存在だね。
これを取り込めば神格が上がる。
その希望に縋った訳だ。
でも、メカルーネさんは見つけられなかった。
人にも探させたけど見つからなかった。
だから、外部の、私に探させる事にしたみたいだね。
後は、外部から世界の維持する力を貰う為に召喚させたみたいだね。
さて、勇者であり、魔王である私はこの世界をどうしようかな?
崩壊しちゃう世界?
なら、その世界を私が救ってみせよう。