第二百三十六話 私、女神を堕としました。
魔神を保護するという私の宣言以降、メカルーネさんはまた黙りしちゃってる。
う〜ん、私はメカルーネさんの意見や本音を聞き出したいんだけどなぁ。
無表情で無言じゃ私の目的が達成が出来ないんだよね。
メカルーネさんは創造神を求めているぐらいしか分かってないんだよね。
倒せって言って私をこの世界に呼んだはずなのにね。
私の最大威力を誇る【最後の一撃】でも傷一つ付けられないんじゃ倒す事はハナから無理だったんじゃないかな?
それじゃ、メカルーネさんは私に何を求めていたのかな?
・・・よし、決めた。
魔力の繋がりを利用してメカルーネさんの心を軽く読んでよう。
ほら、さっきこっそりと《魔王の契約》で手出し無用の契約で築かれた魔力の繋がりを利用するんだ。
メカルーネさんはまだ、私の配下にはなってないけど心を読むくらいなら問題無いんだよね。
まぁ、考えをはっきりとは読めないんだけどね。
善し悪し、好き嫌い、簡単な感情なら読めるからね。
今のメカルーネさんは・・・不安かな?
うん、不安がメカルーネさんの心の中を大きく占めてるね。
何が不安なのかな?
とりあえず、また行動してみよう。
そうだね、メカルーネさんの興味のある物を消してみたら良い反応が出るんじゃないかな?
そこで、創造神を亜空間に入れてみた。
こう、創造神に掌を向けて、ね。
「な、何をするつもりじゃ?」
メカルーネさんの不安がまた一段と大きく膨れた。
「まぁ、最初の依頼通り、魔神を世界から消すだけですよ。」
「!?
止めよ!
其方、何をしているか、分かっておるのか!
先程、魔神を保護をすると言っていたではないか!」
あらやだ、凄い剣幕。
さっきの保護宣言よりも激しいですね。
心は焦りと怒りかな?
でも、私は有言実行が好きなんです。
私の腕を下げさせようと動こうとしたみたい。
でも、私との契約に縛られて自由に動けないメカルーネさん。
驚きと後悔と焦りがどんどん膨れ上がるメカルーネさん。
そんなメカルーネさんを尻目に私は創造神を亜空間に送った。
「よし、消えましたね。
これで、この世界に魔王や魔物が生まれませんね。」
「ぁ、あぁ、そんな。」
絶望に包まれていくメカルーネさん。
ほら、本当の事を言わないから実行しちゃいましたよ?
でも、本当は創造神を倒されたくなかった反応ですね。
まぁ、本当は亜空間に触手を伸び伸びと伸ばしてますけどね。
まぁ、これぐらい弱ったら私の契約に抵抗出来ないよね?
仮にも神様だからね。
私の称号、『忘却せし愚者』で神様に対抗出来るようになったらしいけど。
魔王時代の神を配下にする時は大変だったよ。
一年間スライム漬けにした後、快楽責めで理性を失わせてようやく、配下に出来たからね。
まぁ、簡単に言えば弱らせて捕まえるって訳だ。
いやぁ、私が神様を配下に出来るチャンスを見逃す訳がないじゃん。
私は創造神の消えた場所を虚ろな表情で手を伸ばしてるメカルーネさんの頭に手を乗せて《魔王の契約》と《狂人の祟》を使用した。