第二百三十五話 私、メカルーネさんを脅迫しました。
無言で、無表情で私の事を睨み付ける十二単を着た幼女のメカルーネさん。
その背後で様々な表情を見せるアンさん達、メカルーネさんの眷属の皆さん。
でも、一歩も、指一本も動かせない。
あぁ、顔を凄く変化してるけどね。
激怒、驚愕、困惑、焦燥、緊張・・・
でも、今は一言も話させないよ。
「メカルーネさん。
貴女を【鑑定】で見てみると称号欄に『世界侵攻』という称号が見えます。
貴女はこの世界に元々は居ない神様なのでは?」
「・・・。」
ちょっと目が泳いだかな。
思い当たる節があるんだろうね。
まぁ、メカルーネさんがこの世界の神様だろうが異世界の神様だろうが関係無いんだけどね?
「メカルーネさん。
私に本当の事を話しますか?」
私から目を背け俯くメカルーネさん。
ちょっと、悲しそうな表情ですね?
でも、話さないと私が暴走しますよ?
「メカルーネさん、別に話さなくとも良いんですよ?
でも、これだけは伝えておきます。
・・・私は貴女の過去を探る事も出来ますよ?
その後は、私の自己判断で勝手に行動します。
あぁ、魔神は私が保護します。」
「なんじゃと!?」
あ、凄い剣幕で頭が上がった。
そんなに、あれがメカルーネさんにとって大切なんだろうね。
でも、それは何でかな?
『創造神』の称号を持ってるから?
魔王や魔物を生み出している存在だと言われているから?
真実は私は分からない。
でも、真実を知りたいからね。
あぁ、この想いは好奇心から来るものじゃないよ。
私とあの子、娘達の安全の為に世界の事情を知ってた方が良いと経験談で判断してるんだからね。
世界滅亡とか世界消滅とか世界規模にスケールが大きくなっても私が解決してみせようじゃない!
ふふ、メカルーネさんがウムムって唸って悩んでるね!
ほら、メカルーネさん。
人質は私の手の中だよ。
早く話さないと、勇者から魔王に転身しちゃうぞー。