第二百三十三話 私、メカルーネさんに抱きつかれました。
上下左右の感覚が無くてまるでフワフワと浮いてるような。
周りは真っ白な空間だね。
ありゃ、ここって神界じゃない?
「お主、ついにやったのじゃな!」
「あぁ、メカルーネさん。
お久しぶりです。」
なんかメカルーネさんが満面の笑みで私に抱きついてきた。
ちょ、頭をお腹に押し付けないで。
くすぐったいです。
向こう側を見てみると他の人も居た。
憤怒の般若が笑顔で睨んでた。
アンさん、笑顔だけど気持ちが籠ってませんよ〜。
なんか血管が浮き出てますよ〜。
メカルーネさんに抱きつかれた私に嫉妬とかしないで下さいよ。
テルさん、唇に指を押し当ててますがなんですか?
何か食べたいと無言のアピールですか?
・・・鍋でも作ろうかな?
なんか伝わったらしく獣耳と尻尾がファッサファッサと動いてる。
レパさんは、いつも通りの奇抜なピエロの格好だね。
あ、手を振ってる。
私も振り返そう。
ヒラヒラ〜。
ニノさんは、何か抱えてる?
あれは、何だろう?
小さな箱を大事に両手で持ってるように見えるね。
あ、ニノさんにとっては小さくとも私にとっては大きいよ。
私の顔ぐらいの大きさじゃないかな?
ロネさんは、なんかチラチラと私を見てるけど、どうしました?
髪から花が咲いて、動く度に散っていってるから足元にどんどん山になってますけど。
なんか桜の木みたいだけど。
コルさんは・・・成長しましたね。
姿は中学生くらいかな?
大きな可愛らしい枕を抱えて宙に浮かんでる。
それでさ、うつ伏せになって枕を抱えてるからさ、よく見える訳よ。
変形した肉とパジャマからちらりと見える肌色の谷間が見えてます。
私にはやりたくても出来ない芸当だよ。
うっ、吐血して倒れそう。
リドさんは、なんか全身に無骨な鎖が巻かれてた。
その上、服が胸と腰に布切れが一枚づつ付いてるような感じで女ターザンっぽい格好です。
さらに身体付きの良さを強調してるんですけど。
仮面は、歌舞伎の能面からもっと鮮やかな物に変わってた。
うん、なんか凄く怖いです。
何処からとも無く歌声が聞こえるからあの子、静と忍も来てるみたい。
やっぱり、傀儡は神界に来てないみたいだね。
『次元の歪み』に突貫しちゃったし。
あ、ここに《時空間》で亜空間を作っとこう。
あれ?
あの白い所、動いてない?