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私、勇者として召喚されました  作者: 乙女の涙
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第二百三十二話 私、悪く言った人を見つけました。

お城に帰ってからは夕食も食べて新しく得た【聖浄化】で身綺麗にして寝間着に着替えて準備を整えた。


何の準備だって?

ふふ、(しずか)(しのぶ)に私が悪いって吹き込んだ愚か者を聞き出すのさ!


ふふ、どうしてくれようか?

焼いてやるか?

煮てやるか?

それとも・・・くふ、考えるだけで考えが溢れるね。


娘達に変なイメージが植え付けられちゃったらどうするのよ。

家族関係を引き裂こうとする馬鹿に制裁を与えてやる!


うん?

《時空間》で二人の記憶を探ればいい?

確かにそれも出来るけど、それじゃ駄目だよ。

だって二人の私への誤解の印象を解きたいからね。

《時空間》で見ちゃ二度手間になっちゃうからね。

それに《時空間》じゃ二人の想いが分からないから。


「さて、孤児院でどんな人とどんな風に話したか教えて。」


「えっとね、院長さんに挨拶したよ!」


『みんなに、あいさつ。』


挨拶してたんだ。

流石は私の娘達!

偉いなぁ。


「それから、ダクさんから、ぼーけんだんってのを聞いたよ!」


『りゅう、きった。』


冒険者が孤児院に来てたのかな?

ダクって名前の冒険者の人、私の配下に居たっけ?

もしかしたらこの国の外部から来た人なのかな?


「それとね、私達、リンドー君とお友達になったよ!

いっぱい、おかーさんの事を話したら喜んでた。」


『ねんわができた。』


リンドー?

あぁ、転生者君の本名が大沼(おの) 燐童(りんどう)だったかな。

ほぉ、あの転生者君とお友達になったんだね。

ふふ、両手に花じゃないか!

全く、幸せ者だな!

でも、娘は渡さないぞ!

欲しければ私を倒してからだよ。

絶対に私が勝つけど。


「あとは、遊びをみんなに教えたの!」


『つなひき、いすとり、おにごっこ。』


へぇ、鬼ごっこ以外にも綱引きやイス取りゲームもしたんだ。

うわ、後で《時空間》で観賞しよ。

娘達の遊ぶ姿をめっちゃ見たいしね。


「あとは、う〜ん。

あとは、えっと〜。」


『おわり。』


・・・あれ?

私が悪く言われた所って何処なの?


「それじゃ、お母さんが悪いって話は誰が話したのかな?」


「リンドー君!」


『リンドーくん。』


転生者よ、また黄泉の世界に行きたいらしいな。

取り敢えず、石像にして地下に埋めてやろうか?

それとも、封印してた【異種化】を解放してノームに変わるか?

一生、泥を喰ってろ!


「おかーさんの話をしたら悪いって言ってた!」


『あたしたちのくんれんのこと。

はなしたらいった。』


・・・訓練?

そう言えば転生者君に色々と話したって言ってたね。


「その、燐童君に何を話したのかな?」


「ゴブリンや狼、蟲との戦い!」


『しずかおねえちゃんとのしょうぶ。』


「おかーさんが国で偉い人だって事!」


『おかあさんはゆーしゃ。』


「もう一人のおかーさんも!」


『うたがじょーず。』



結構、言ってた。

うん、私が勇者だって事をバラしてたんだね。

あの中で悪い人認定を受けそうなのって訓練の事とあの子の事じゃ無いかな?


そりゃ、訓練は女の子には厳しい事だと思うけどさ。

この世界は魔物が跋扈するんだから。

強くなくちゃ、蹂躙されちゃうんだし。

うん、強ければいいのだよ。


あの子の事を伝えたって。

あの子は、説明だけじゃ中々分かり難い存在だしね。


良かった。

二人は私の事を嫌悪してなかった。

逆に自慢のお母さん像を転生者君に話してただけだった。

悪い人って二人にとっては褒め言葉だと感じたみたいだけど。

幼い故の勘違いだね。

ちゃんと訂正しておいたから今後は大丈夫でしょ。


二人の話を聞いた後に《時空間》で確かめた。

ほら、先に見たら先入観が生まれちゃうからね。

転生者君、喜んでいるってよりも青ざめてるけど。

なんか同情らしき言葉がチラホラと出てるし。


なんか、三人の会話を纏めると私は(しずか)(しのぶ)の継母で二人を鍛えるという言い訳で虐めている。


本当の母はあの子で歌が上手くて料理も凄腕だけど病弱。


うん、すれ違いって怖い。

現実と会話の内容が全然違うし。


取り敢えず、悪夢で折檻しておこう。

良かったね、転生者君。

地獄は7日だけだよ。

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