第二百二十六話 私、地下に潜りました。
あー、遂にやって来ました。
私は今、魔神と思わしき物体の真上の天井に足を付け逆さになって見てる。
《時空間》で探してた地下に三角錐を逆さにしたような擂鉢状の空間を見つけて、そこに来てみた。
天井から【壁歩き】でぶら下がって【夜目】と【暗視】を使って目的の物体を見物中です。
あ、【暗視】を併用するとなんかもっと見やすいんだよね。
色が分かるし。
【夜目】は物陰は見えるけど色は見えないからね。
さて、あの物体を言葉に表すとすれば、色々と混じった白い球体かな?
蛇のような紐状の何かが何匹も何重になって蠢いてる。
それが擂鉢の奥底に溜まって球体のように見える。
まぁ、あれが魔神かどうか私にも判断出来ないけどね。
地下に居たから暫定で魔神と私が言ってるだけだし。
それに私の配下にすればあの物体が何か分かるしね。
気分は魚の生き餌のミミズか何かの入ったバケツを見てるみたいだよ。
その中に手を突っ込む?
私は嫌だよ、気持ち悪い。
魔力であの物体を持ち上げていこう。
あれだけ居るんだから一匹だけ持ち上げて掴んで《魔王の契約》を使えば大丈夫だと思う。
うん、一匹なら私も平気だ。
それ!
ふっ!
はあぁ!!
よっしゃ、釣ったぁあああ!?
「《時空間》!!!」
一匹の白い奴を引っ張ったら他の白い奴も一斉に真上に、つまり私の方に伸びてきた。
キッッモッ!?
ウニョウニョと素早く伸びてきて思わず叫んじゃったよ。
想像してみてよ。
遠くの方から触手が瞬きする間に目の前に現れるんだよ!?
マジ恐怖。
流石に空間を隔てたらそれ以上、私の方に来なかった。
《時空間》で張った結界の向こう側に白い何かがウニョウニョと動いてる。
・・・よし、チャンスだね。
一本だけ魔力で包んでそのまま《時空間》で空間を繋げてっと。
はい、私の手の届く所に白い何かが現れました!
私はそれを思いっきり掴ん・・・でよろうと思ったけど考え直して髪の毛を魔力で強化してオリハルコンをも貫く強度でブスリと白い何かに刺してやった。
おぉ、なんか凄い弾力に弾かれて横をすり抜けちゃった。
うん、刺すのを諦めて髪の毛を白い何かに巻き付ける。
今の所、髪の毛に異変は無いね。
それじゃ!
「《魔王の契約》!
《狂人の祟》!」
私の頭から黒い靄が溢れ出し髪の毛を伝い、白い何かを包み込んだ。
するとその下で《時空間》の結界の向こう側で蠢いてる白い何かも黒く染めてそして縮んでいって消えた。
よし、捕獲成功!
さぁて、あの物体はなぁにっかな〜?
【鑑定】の出番!
さぁ、その正体は・・・はい?
え、創造神?