第二百二十四話 私、傀儡と別世界が心配になりました。
さてさて、傀儡が次元の歪みに入っちゃった空中に《時空間》で転移してみました。
あ、姿は【異種化】でグランソワードのエルフになって飛んでます。
う〜ん、やっぱ傀儡の行った別世界の手がかりになるような物は何も無いね。
気流が早い、気を失いそうな程寒い、空気めっちゃ薄い、ぐらいしか特徴が無いしね。
・・・そう言えばなんで傀儡は空を飛んでたんだろ?
空から魔神を探してたのかな?
傀儡の記憶を読んでも全く分からなかったし。
残念な事に傀儡の脳内では私の事しか考えてなかった。
・・・あの色ボケめ。
まぁ、一応、傀儡は私の娘として認識してるからね。
・・・母親として、経験者として心配なんだよ。
別世界に一人ってのは結構さ、きついんだよね。
それこそ、私はあの性悪女神ムラサキノダチに異世界に送られたからね。
その途中で邪神にも捕まったけど。
異世界に着いたら色々な感情が混ざり合ってさ。
混乱してる私は魔物に襲われて。
嬲られて殺されて《再誕》で自動で生き返って。
死の記憶と恐怖で狂って、狂って、そして、自殺までしてさ。
それでも生き返って、また自殺して。
まぁ、そのおかげであの子が発生したんだけどさ。
最後にはやけになって至上最悪の魔王を目指しちゃったからね。
途中から魔王生活が楽しくなってきたけどね。
うん、本来のゲーム好きが功を奏した。
でも、思い出してみれば傀儡にもあの子が入ってるんだよね。
だから別世界でスキルやステータスが無くてもある程度、あの子がカバーして使えるようにしちゃいそう。
いや、傀儡が望めばきっとそうなる。
そう思えば少しは楽になるね。
うん、どちらにしろ死ねばこっちの世界に戻って来ると思うし。
絶対に何か厄介事を引っ張ってくるだろうけど。
あー、傀儡よりも別世界の方を心配した方が良いかもしれない。
傀儡が暴れに暴れれば世界が崩壊する可能性も無きにしも非ず。
・・・あの子を通して傀儡に指示を出せないかな?
暴れるなら控えめにって。
それと、食材をいくつか持ってきて欲しいな!
メカルーネさん達に呼ばれた時に相談もしよう。
神様ならこの問題も解決出来そうな気がするからね。
うん、ウジウジと悩むのは私らしくないし、やーめた。
なるようになる。
問題が起きたらその時だ!