第二百十八話 私、レガリア師匠の運の無さに呆れました。
レガリア師匠を見つけた。
うん、迷宮にお客さんが入ってて気紛れで迷宮の中を覗いてみたらレガリア師匠の率いる『紅乙女』の皆さんでした。
レガリア師匠達は迷宮の調査に来ているみたい。
そして私が見つけた時はレガリア師匠が迷宮内で一人、孤立無援、獅子奮迅の戦いをしてた。
私の迷宮は体力がゼロになる、つまり死んだらその人に《再誕》がかかるようにプログラムしてる。
復活場所は迷宮の出口でそこら辺はもう死屍累々の騎士の皆さんが寝転がってますよ。
精神のケアはあの子に任せてるから死の経験からの発狂は気にしなくても大丈夫です。
うん、レガリア師匠以外は迷宮内で死んだみたいだね。
罠とかゴブリンとか狼とか不浄蟲に殺られたみたい。
う〜ん、魔物は兎も角、罠は即死レベルの物は用意してない筈なんだけど。
スイッチを押すと壁から噴き出る状態異常にする霧の罠。
脱出するには時間がかかるくらいの高さの落とし穴の罠。
迷宮内にランダムで飛ばす転移の罠。
マジックアートで惑わす罠。
音が聞こえなくなる空間。
暗闇と光明が繰り返される空間。
などなど。
状態異常って言っても昏睡や麻痺なんかの行動を抑制する物しか使ってないし。
落とし穴だって下にはクッションも置いてるのにね。
もしかしてはじめて罠で戸惑って配下の魔物に止めを刺されたのかな。
レガリア師匠は同じ階層をグルグルと回ってる。
マップ書いて!
もしくは階段降りて!
そこは二階ですよ、レガリア師匠!
なんでこんな状況になってるのか気になったから《時空間》で入った所から全部見てみた。
二十人で迷宮に入って来ました。
あ、偵察の人かな?
その人達がまず、転移の罠を踏んで別れちゃった。
そして罠を全て漢感知していくレガリア師匠。
落とし穴に落ちて霧を吹き出させて回転床を踏んでマジックアートに突っ込んで地雷を踏んで檻に閉じ込められて・・・
そこに配下の魔物の襲撃。
レガリア師匠が罠から脱した頃にはもう手遅れで全滅済みと。
私の配下の頭の良さを褒めるべきかレガリア師匠の罠にかかる確率が高い事に頭を抱えればいいのか。
罠は空間にランダムで仕掛けられるように設定してる。
でも、罠から抜け出して一歩進んでまた罠にかかるってのは・・・
レガリア師匠ってもしかして不運な人なのかな?
魔物も配置した時よりも強くなってる?
自主訓練でもしてたのかな?
あ、またレガリア師匠が転移の罠を踏んだね。
まぁ、壁の中に転移とかは無いからそこは安心だけど。
・・・やば。
転移した先が住居スペースじゃん。
あれ?
あそこって転移先に設定してなかったんだけど誤作動かな?
取り敢えず、私も迷宮に行かないといけなくなったね。