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私、勇者として召喚されました  作者: 乙女の涙
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第二百十五話 カーディナルさんとお話ししました。

世界樹から生まれたエルフに幾つか質問をしてみましょう!

今、思えば私はエルフと話した事が無かったよ。


だってクーは私を見て叫ぶし。

黒苔ちゃんは最初に会った時は白眼を向いて気絶してた訳だし。

あ、名前を黒苔ちゃんにした訳じゃないからね。

名前を決めるまでの通称と言う事で。


それよりもまず、エルフは話す事が出来るのかな?

この世界のエルフのイメージって家畜っぽい扱いだし。

植物から成り代わった存在だけど知性があるのかな?


軽く挨拶をしてみよう。

私は今、姿はエルフになってるしね。

世界樹のエルフの顔の前まで飛んで行ってっと。

うは、マジでデカイ。

遠くから見れば端正な顔付きだとは思うんだけど。

近くから見ると綺麗とは言い難いね。

いや、肌は綺麗だよ。

ただ、顔が綺麗よりも怖いように感じるんだよね。

これが巨人補正なる物か!


「ハロハロー!

そこの大きいお姉さん!

私、早乙女(さおとめ) (しずく)です!

貴女の名前はなんですか!」


やだ、凄いアニメ声。

エルフに成った私の声が凄く甘ったるいような声に変わってた。

なんかこう、例えば日曜の朝にある女の子のアニメか萌えアニメから聞こえそうな声だよ。

うん、悪くない!

凄い、好きです。

なんか無性に『ご主人様!』とか『おにぃちゃん!』とか言いたくなる程のアニメ声だよ。

やばい、この声でアニソン歌いたい。

それぐらいの完成度です。


「異界から来られし小さき我が主よ。

我が名はカーディナル。

太古に朽ち果てし大樹よりし生まれ出ずる者である。」


あ、話せた。

なんか思ったよりも渋めの声ですね、お姉さん。

と言うよりも私が異世界から来てるって知ってるっぽい?


「カーディナルさん。

なんで私が異世界から来てる者だって分かったのかな。」


「我は全てを見抜く目を持つ。

小さき主の真なる姿ももう一人(・・・・)の主の姿も見えている。」


それは凄い。

このエルフは私の人の姿はもちろん、あの子の姿も見えるらしい。

流石は世界樹から生まれたエルフだね。

でも、それは私が人間だって事が分かるだけだと思うんだけど。


「我は常に我らの創造者であらせられる方の言葉を拝聴している。

さらにはその視界さえも映像として拝見している。」


あ、それがタネか。

ロネさんから直接、私の情報を教えられていたと。


これって逆もあり得るよね?

多分、次にロネさんに会ったら絶対に言われるね。


「我らの創造者も喜ばれましょうぞ。

何せ、我が小さき主がエルフへと生まれ変わった。

我が小さき主の花をこの世界に満たす事でしょうぞ。」


え!

それは・・・ちょっと困るかな。

だってこの花の毒は神殺しの猛毒だし。

人の町の近くに咲けば気化した蜜で全滅させられると思う。

異世界の花だから咲かせられないかもしれないけど相手は神様だからね。

釘を刺しておこう。


「えっと、私の花、グランソワードって言うのだけれど。

これは異世界の猛毒の蜜を生み出すから世界に満たすのはちょっと困るかな。

うん、一輪も咲かせて欲しくないです。」


「御意。

そのように伝えておきましょうぞ。」


・・・伝えられるんだ。


「そう言えば、カーディナルさんは太古の世界樹から生まれたんだってね。

どれくらい昔なの?」


「我が小さき主よ。

エルフは月日を考えない。

元が植物であるせいか、寿命が無いせいか、はたまた、老化しないせいか年月を考えないのだ。」


「え!

エルフって死なないんだっけ?」


「否。

エルフは死ぬ。

しかし、命の終わりは無い。

病か怪我かあるいは殺されたか。

それさえ無ければ我らは死なん。」


エルフが不老不死もどきの存在でした。

エルフは長寿ってイメージだけどまさか本当にそれ以上の存在でした。


「しかし、我らは精神の成長は遅い。

エルフとして生まれて50年も経たねば知性は育たん。

野生の獣のように本能で生きる。

その間も植物として成長し続ける。

その植物によって常に花や果実を実らせるのだ。」


うわ、それは家畜化もされるよ。

50年なんて晩熟にも程があるでしょ。

エルフの絶叫スキルに耐えられればエルフ農家として働けるね。

私はするつもりは・・・クーと黒苔ちゃんから何か果実が取れるかな?

カーディナルさんは何も(みの)ってはないし。


グランソワードの果実は絶品だから後で収穫しよう。


その後もカーディナルさんからエルフの生体を聞き出したよ。

活かせるかどうかは兎も角としてね。


今日はこれで終わりそうだね。

(しずか)(しのぶ)を迎えに行こうっと。

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