表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私、勇者として召喚されました  作者: 乙女の涙
213/276

第二百十三話 私、ノームに会いに行きました。

青白い小人、ノームの居る亜空間にやって来ました。

ここは大量の土以外何も置いて無かったんだけど大丈夫かな。

餓死で死ぬとかは無いと思うけど普通の精神なら狂っちゃう環境だね。


あー、居た居た。

土の山に青白い人影が有ったよ。

しかも、これは全員かな。

顔から土の山に突っ込んでる。

青白い下半身が土の山からニョキニョキと生えてるみたいでホラーっぽいよ。

なんかバタ足してるのとか、垂直に立ってたりとか、開閉し続かたりとか。

うん、正直に言ってキモい。


みんなこの環境に耐えられなくて発狂しちゃったのかな。

なんかそう考えると凄い罪悪感を感じちゃうんだけど。


「おーい、ノームの諸君!

大丈夫ですかー!」


「・・・」


奇天烈な山と化したノーム達は動く気配が無いね。

いや、足は凄い動いてるけど私の方に来ないというか。

声を掛けてみたけど無反応とは。


にしても、色々と丸見えだね。

ノームに服の文化は無いらしい。

下半身がモロに見えてるんだよ。

うら若き乙女にアレを見せるとは不敬な奴だね。

思わず思いっきり勢いを付けて蹴っ飛ばしたくなる。


まぁ、人と身体の構造が違うみたいでお尻以外何も無いのだけれどね。


取り敢えず、一人山から抜いてみよう。

なんか、赤青黄が主の植物エイリアンのゲームを思い出すね。

私は毒殺して獲物を持って帰らせるのが好きだった。


ふーん。

近付いて見て分かったけどノームって細いね。

足が皮と骨しかないんじゃ無いのと思うぐらい細い。

そして人よりも小さい。

下半身だけでも私の膝に届かないくらい小さい。

私は両腕でノームの足を持って引っ張り上げた。

よいしょっと。


「あ゛ーーー。」


すると万歳の逆の格好でノームが山から抜けた。

口からポロポロと土が溢れてる。

上半身も下半身と同じく細く小さい。

髪の毛が無くてツルツルだ。

まぁ、土に頭から突っ込むなら髪の毛は邪魔だろうしね。


「こんにちは。

私は貴方の主人になった早乙女(さおとめ) (しずく)です。

貴方の名前は?」


「あ゛ーーー。」


ノームは私の声に反応せずに真下の土に向かって手を伸ばしたまま、言葉にもならない声しか出さない。


これは、ノームに言葉の文化も無いって事なのかな?

それにしても大人しいね。

知らない人から足を掴まれて釣り上げられたら暴れると思んだけど。

私はゆっくりとノームを下に降ろした。

勿論、そのまま降ろしたら土の山に出来た穴にそのまま入れてしまう事になる。

だから手を離して魔力を使い空中で浮かばせて山から少し離れて床に座らせた。


「あ゛ーーー。」


床に降ろしたらすぐに山の方に行っちゃったよ。

そして四つん這いになって土の山に頭から突っ込んで行った。


・・・仕方無い、このままでいいよ。

それじゃ、今度は心を読んでみよう。

意識すれば言葉が無くとも心で思えば私に全部伝わるからね。


・・・うーん、ダメだ。

どうしよう、このノームは何も考えて無かった。

人では難しい無我の境地って奴だね。

記憶を読んでも何も分からない。

これは、ノームの知性は虫以下だって事になりそうなんだけど。

虫でも感情ぐらいはあるからね。


試しに他のノームも調べてみたんだけど結果は同じ。

《時空間》で過去の生活スタイルを見てもずっと土に頭を突っ込んでた。

ある時は一斉に土から抜け出したと思えば生殖活動を開始したから直ぐに見るのを止めたけど。

うん、凄い物を見てしまった。


敵が来たらすぐに足とかお尻とか食べられてたけど時間を掛けて再生してた。

何、この種族。

訳が分からない。

取り敢えず、土の山以外に泥とか鉄とか魔石とか魔晶も入れて置こう。


なんだか食べ続けるペットを飼った気分だよ。


今度はエルフのとこに行こうかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ