第ニ百ニ話 私、娘達を迎えに孤児院に行きました。
いや〜、猿を実験台にして遊んでたらもう夕暮れじゃん?
静と忍を迎えにあの孤児院に行った。
勿論、変装済みです。
魔力でリアルな顔マスクを作ってそれを付けてる。
後は【伸縮】と【巨大化】で背を伸ばしてる。
ふ、ふ、ふ、これで私だと分からないだろう。
あの転生者の男の子も気になるしね。
静の惚れ惚れするほど華麗なるアッパーが綺麗に決まってたからね。
すかさず人形が影から出てきて手当してたから大丈夫だと思う。
あ、髪の色も赤に変えてるし瞳は黄色に変えてる。
私って変装上手だね!
これで日本人には見えないでしょ!
まぁ、転生者が日本人だって決まった訳じゃない。
でも、ちょっとだけ怖いんだよね。
私の日本での最後が最後だったからね。
もし、私の最後を知ってる人だったら。
ふふ、怖気がするね。
まぁ、時間が大分経ってるから凄い未来から来てる筈だし。
・・・魔王時代の世界と地球の時間経過が違ってあまり時間が経ってなかったら私は恥ずかし過ぎて姿をくらますかもしれない。
てか関係者だったら心を壊して記憶を失わせてやるし。
さて、件の孤児院に到着しました。
ふんふん、実際に見ると結構な大きさの孤児院だね。
国営の孤児院らしいからあの蟲人の卵を食べてた太ったおじさん、バララークさんが関わってるんだっけね。
結構、立派じゃん!
流石は王弟、見た目にそぐわず良い仕事してるね。
さて、孤児院の玄関をくぐってそのまま中庭へ行こう。
静と忍はどっこっかな〜?
『静、忍、遅くなったけどお母さんが迎えに来たよー。
あと、お母さんは今は変装してる乳母って呼んでねー。』
「ふぇ!?」
『どこ?』
あ、見っけ。
静はキョロキョロと首を動かして。
忍は静の側から飛び上がって上から探そうとしていた。
周りからは子供達の大歓声が聞こえる。
ふふ、もうしのふは孤児院で人気者なんだね。
お母さんは嬉しいよ。
『今、忍が飛び上がったね。
お母さん今からそっちに向かうから待ってて。』
『はーい!
分かったー。』
『うん。』
うん、見覚えのある顔の子も居る。
地下水路に居た女の子だね。
うんうん、静と仲良く・・・なり過ぎじゃない?
なんかベッタリとくっついてるよ。
確か、持ってたスキルは【聖女の涙】を持ってた子だっけ?
思えばあの地下水路に居た子達って勇者の末裔らしいんだよね?
・・・強引にレベル上げて勇者のユニークスキルを覚えてもらおうかな?
まぁ、この話はまた今度ってことで。
『静、忍、お母さんは目の前に居るけど分かる?』
「う〜ん?」
忍は分からないみたい。
まぁ、私の面影がゼロだからね。
でも静は気付いてるみたい。
『かんてい。』
「あ!」
そりゃ、【鑑定】で見れば私だってバレるよね。
【鑑定妨害】で名前は隠してないし。
「二人とも帰ろっか。」
「うん!」
『うん。』
転生者は夜に夢でも入ろっかな。
配下にもしたいしね。




