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私、勇者として召喚されました  作者: 乙女の涙
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第百九十四話 私、狼の魔王にディアトロフと名付けました。

私は狼の魔王の所に行きました。

ちゃんと猿も連れて来たよ。

身体の自由を奪ってるから大人しかったからね。


「ムグ!?」


『主よ、来られたのか。』


「ムググ!?」


「そう、来たよ、狼の魔王。」


それにしても、いつ見ても狼の魔王は大きいね。

近くで見てたら山にしか見えないし。

猿も驚いてるみたいだし。

うん、それにやっぱ頭に直接声が響いてくるね。


「どうかな、狼の魔物に会えてさ。」


『うむ、久方ぶりに我が子らに会え嬉しかったぞ。

我が眠っている間の事も聞けた。』


「そう。

なら良かった。」


そう言えば狼の魔王に名前を授けるように頼まれてたね。

ちゃんと昨日の寝る前に考えてたんだよ。

迷宮(ダンジョン)の騒ぎで忘れそうだったけど。


「あなたの名前を考えて来たよ。

ディアトロフ、なんてどうかな?」


『うむ、主より授かった名よ。

我は受け入れようぞ。』


うん、良かった。

名前を気に入ってくれたみたい。

因みにこれはある山の名前だよ。

エベレストかフジにしようか迷ったけどね。


「それじゃ、早速魔神の事に付いて話して。」


『承知した。

しかし、我も魔神の事は良く知らぬ。』


「え?」


知らないの?

それで、夢の中で知ってるみたいな自信満々な態度だったの?

それって詐欺じゃない?


『気付けば我は峡谷に居た。

そして頭に直接、語るのだ。

人を殺せ、女神を殺せ、とな。

それが魔神の声かは分からぬがな。』


「ムッグ!」


あ、まだ続きがあるんだね。

じゃあ、大人しく聞いていよう。

狼の魔王、ディアトロフが聞いたのってそれって念話かな。


『今は聞こえない。

主の駒となったからだろう。

魔力に似た力が働いているのか声が聞こえると地下より何かを感じた。

これが我の言える情報ぞ。』


「ム、ムゥ。」


「そっか、ありがとう。」


地下、地下か。

魔神は地下に居るって事かな。

それじゃ傀儡(くぐつ)に地下を調べさせ・・・大災害待った無しになるよね。

私自身が調べないとダメかな。


そうだ猿にも魔神の事を聞こう。

ムグムグと煩いから何か知ってるのかもしれないね。

口の自由を戻してっと。


「プハッ!

なァ、ホゥティナのダンナ!

なんでアンタまでこのニンゲンに従ってんダ!?

アンタ、オレッチ達をハメるつもりなのカ!?」


『ヤムキーよ、ヤンキーの魔王よ、我は主に完膚なきまでに負けた。

我は我よりも強き者に従う。

その際にホゥティナの名は捨てた。

ただ、それだけだ。』


「ハァ!?

ホゥティナのダンナがマケタ!?」


あ、ディアトロフは夢の中であの子にボロボロにされたからね。

それで私に服従を誓ってると。

うん、野生だ。

力こそ全ての獣の考えだね。

あと、やっぱり猿は魔王だったんだ。

なんか私の方をチラチラと疑わしそうに見てるし。


私、見た目は可愛い女の子だもんね。

そりゃ信じられないでしょ。

まぁ、私が倒したんじゃなくてあの子が倒したんだけどね。


「あなたも私と戦ってみる?」


「ハッ!

ジョートーだ!

ブットばしてやるゼ!!

テメェみたいなメスの取り柄のネェヤツはナ!!」


ブチ。


あ?

こいつなんて言った?

メスの取り柄が無い?

それは胸の事を言ってるんだな?

よし、全力で潰す。


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