第百九十一話 私、迷宮から出れました。
迷宮から出ると外は明るくなってた。
辺り一面に広がる草原と真後ろには塔が立ってた。
そしてちょっと古めかしい大きな扉が付いてた。
あれ、私は夜中に迷宮に連れ込まれたはずなんだけど。
これは、迷宮弄りに時間を忘れてたかな。
ふふ、でもこれで迷宮は難攻不落に成ったんだよ。
ゲームクリエイターってこんなに楽しい仕事なんだろうね。
ゲームをするのも大好きだけど作るのも楽しかったよ。
早くこの迷宮を探検しに人が来ないかな。
今なら大歓迎で配下が迎えるんだけどね。
とりあえず迷宮から出たから娘達と連絡を取ろうっと。
『静、忍、聞こえる?
お母さん、迷宮から出れたんだけど今どこにいるの?』
『ふたりとも、まちにいる。』
『おかーさん、あの太ったオジさんと会ったよ!
おかーさんの娘かって聞かれたからうんって頷いたんだ!
良かった?』
太ったオジさん?
もしかして国王様なのかな?
そして今は街に居るとの事。
・・・追い出された訳じゃないよね?
『たいくつ。』
『もう一人のおかーさんが太ったオジさんと話しててね!
つまんないからこっそりとお城から抜け出したの!』
人形が国王様と対話してるのか。
なら大丈夫かな。
一応、受け答えは出来るからね。
そして二人は退屈になったから街に出かけたと言う訳だね。
うん、私の早とちりで良かった。
危うく、お城に向かって【最後の一撃】をぶちかまそうかと思ったよ。
『じゃあ二人共、気をつけてね。
お母さんは用事があるから終わったら迎えに行くからね。』
『『うん!』』
よしよし、ならいいかな。
子供はやっぱり遊んだ方が良いからね。
思えば娘達には戦闘と室内遊びしかやってない気がするし。
良い機会だから街で友達でも作れると良いなぁ。
もし、出来たら友達の親御さんにも挨拶に行こう。
とりあえず家族諸共、配下にして命とか安全を確保してからね。
折角の友達に不幸が起きたら娘が可哀想だからね。
あとは、もしも、娘に手を出した輩が入れば・・・ふふ。
悪夢を見せてあげよう。
さて、私は狼の魔王の所に行こうかな。
それと傀儡が倒してた猿の魔物も配下に加えたいし。
他にも色々と捕獲してるかもしれないね。
ふふ、魔神の情報や新しいスキルが楽しみだよ。