第十九話 私、コペル君を解放しました。
私はなんとかあの子、コペル君と話せるようになった。
物理的距離は空いてるけど仲良くなったからね!
ふ、ふ、ふ。
私の手に掛かればこのぐらいの任務、なんなくこなせるのだよ、ムフフ。
ちなみにお父さんの事を聞いたら、色々と話してくれました。
お父さん、っていうよりはテイマーみたいだね。
うん、私の世界のクラスにも有って魔物を手懐ける職業でレベルを上げたらその為のスキルが取得出来るんだよね。
ま、効果は私の《魔王の契約》の劣化版だけどね。
妖精をテイムするなんてねぇ、魔王時代の世界では殆ど見かけなかったけどこの世界では妖精はよくいるのかな?
まぁ、聞きたい事は聞けたしコペル君を解放してあげようかな。
「コペル君、お父さんの所に帰りたい?」
「帰してくれるんですか!!??」
良い食いつきだね。
「うん、帰してあげるよ。
だけどさっきの条件が付いてるから覚えておいてね。」
「うん、覚えてるよ!!」
まぁ、《魔王の契約》によって私の配下になったから色々と制約が掛けられる。
・私の命令に逆らえない。
これが最もな制約。
他はあってないようなもんだし。
その代わりに私の加護が貰える。
・私の持っているスキルを私の任意で覚えられる。
ま、コペル君に持たせるのは《再誕》で決まりだけどね。
私は魔王時代でも全配下にこのスキルを持たせてたんだよ。
ま、この世界で効果があるか分からないからこの事はコペル君に教えてないけどね!
「じゃ、結界を解くから部屋の窓から出れるよね?」
「うん!!」
「おーけー。
《時空間》、よし解いたから出ていいよ。
くれぐれもお父さんには私の事は内緒だよ。
これ命令だからね。」
窓の方に駆け寄るコペル君。
「うん!!」
「それじゃね!」
「ばいばい!!」
そしてコペル君は窓から身を乗り出して私に手を振りながら外に落ちた。
同時にコペル君が黒いモヤに包まれて段々と形が変わり大きくなって最後に朝に見た蝙蝠になって夜空にきえていった。
行っちゃったね。
さて私のステータスでも見ようかな?
コペル君が持ってなくても妖精だったしもしかしたら、ね。
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早乙女 雫
種族:異世界人
レベル:ーー
クラス:魔王
体力:∞
魔力:∞
配下数・1
スキル
《魔王の契約》
《物理の極み》
《魔法の極み》
《再誕》
《時空間》
NEW【新月の住人】レベル1
NEW【夕闇】レベル1
NEW【ダークボール】レベル1
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ふぇ?
増えてる?
「お、オッシャーー!!」
コペル君、スキル持ってたんだね!
ダダダダダ!!
「どうしました!?」
あ、やべ。